世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

2011年夏ボーナス、一番高い業界は?

2011.06.02 THU

経済学ドリル


【問1】今夏のボーナスの平均支給額はいくら?(東証一部上場企業)

(A)63万3172円(前年同期比2.1%の減少)
(B)64万9988円(前年同期比0.5%の増加)
(C)68万8146円(前年同期比6.4%の増加)

【問2】今夏のボーナス支給額が最も多いのはどの業種?(東証一部上場企業)

(A)化学(支給額は前年比3.9%増加)
(B)電力(支給額は前年比0.6%減少)
(C)情報・通信(支給額は前年比1.0%増加)

【解説】財団法人・労務行政研究所の調査によると、今夏の大企業の従業員1人あたりボーナス支給額は、前年実績を上回る68万8146円となる見通しです。2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、大企業の業績が急激に悪化しているにもかかわらず、夏のボーナスが増えるのは、賞与・一時金が昨年度(2010年度)の企業業績を考慮して支払われるからです。昨年は多くの大企業で業績が回復していたので、夏のボーナスは全体として増加傾向を示しました。業種別に見ると、中国やインドをはじめとする有力新興国の需要拡大や鋼材価格の持ち直しを受けて、鉄鋼業のボーナスが前年比23.8%増と全業種で最大の伸びを記録しています。自動車業界のボーナスも、昨年は海外での販売が好調だったことから、前年比9.9%増と高い伸びになりました。一方、商業など非製造業のボーナスは、日本の個人消費の回復スピードが鈍かったこともあって、前年比1.2%増と小幅な伸びにとどまっています。

[正解] 問1: C 問2:A


門倉貴史 かどくら・たかし 慶應義塾大学経済学部卒業後、金融機関のシンクタンクで主任研究員などを歴任。現在、BRICs経済研究所代表。専門は日米経済、BRICs経済、地下経済など。著書に『中国経済の正体』(講談社現代新書)、『ゼロ円ビジネスの罠』(光文社)など多数

今冬は「ボーナス氷河期」が到来する!?



昨年の企業業績の改善を反映して、大手企業の夏のボーナスは増加傾向となりました。しかし、中堅・中小企業では、昨年の企業業績の回復が大企業に比べて芳しくなかったため、ボーナスの支給額もあまり増えませんでした。なかには、業績の悪化に歯止めがかからず、支給が見送りになってしまった中小企業もあります。
では、今冬のボーナスの支給額はどうなるのでしょうか。東日本大震災の影響で企業の業績が急激に悪化しているので、今冬のボーナスの支給額は、企業規模の大小を問わず、ほとんどの業種で前年実績割れになることが予想されます。今夏のボーナス支給額が大幅増を記録した製造業・大企業でも、震災発生以降、電力の使用が制限されていることや部品輸送が困難になっていることなどから、生産活動に悪影響が出てきています。たとえば、国内自動車メーカーの多くは、震災後の一定期間、工場の稼働を停止せざるを得ない状況に追い込まれました。中堅・中小企業では生産の停滞が一層深刻化しています。
一方、非製造業では、震災発生以降、消費自粛の動きが広がっており、これが企業業績に影を落としています。たとえば、首都圏のシティホテルでは、海外からの観光客数の減少で客室稼働率が低下しているうえ(通常は8割程度の稼働率が震災後は一時6割程度にまで低下)、自粛ムードの広がりで宴会需要や婚礼需要も減少しており、業績の悪化が顕著になっています。このまま自粛ムードが続けば、非製造業ではボーナスが減少するだけでなく、企業倒産や解雇といった流れが出てくるおそれもあります。すでにそうした兆候は見え始めていて、震災直後からバス会社や旅館、イベント企画運営会社などが破産するケースが増えています。そのほか、非製造業では、原発事故の影響を受けて電力業界の冬のボーナスが大幅減になることが見込まれます。

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