今さら知っとく自衛隊/第3回

会社なら社長。では自衛隊で一番“偉い”のは?

2011.06.07 TUE


将を示す特徴的なマークが桜星。一般自衛官は、このマークのついた車は特にしっかりと敬礼をしなくてはいけないので、見かけるとおもわず緊張するそうです イラスト/ホリユウスケ
あなたの会社の社長はどんな人ですか? 組織には序列があり、トップの指揮のもと日々の業務をこなしていく訳ですが、ではここで問題。自衛隊の最高指揮官はこの中の何番でしょうか?

1 天皇陛下
2 内閣総理大臣
3 統合幕僚長
4 防衛大臣

答えは2番の「内閣総理大臣」。ただし、あくまで指揮系統上のトップであって“自衛官の中で一番偉い”という意味ではなく、自衛隊という組織の最終決裁者という意味においてです。では、自衛官の中で一番偉いのは誰なのか、ここでは、採用枠が一番多い任期制の隊員として入隊した場合を出発点に階級の序列を説明してみます。

入隊するとまず初めに与えられるのが「2等○士(○には陸・海・空それぞれが入る)」の階級。そこから2士<1士<士長と一定の期間ごと自動的に昇任します。このあたりの階級は一般企業でたとえると、どのような立場なのでしょうか?

「2士の時点では、まだ基礎教育の段階。新入社員というより“新入生”みたいなもの。士長になってやっと企業で言うところの主任レベルの役割が与えられるかどうかというところですかね。ただ、士の区分でいるうちは社員でなくいわば契約社員のようなものです」(元自衛官)

任期制隊員とは、2年を1任期とする単位の契約(海・空は3年)採用であり、長くとも3任期ほどで退職をする場合がほとんど。任期制隊員から自衛隊の“正社員”の「曹」となるためには昇進試験と教育期間をクリアしなくてはなりません。ではそこからの序列は?

「3曹<2曹<1曹<曹長<准尉。そして3尉<2尉<1尉<3佐<2佐<1佐、さらに将補<将、となります。曹に上がり順当に行けばだいたい定年時までに准尉の階級になれますが、3尉以上になるにはこれまた幹部自衛官としての試験をパスしなくてはなりません」(元自衛官)
ちなみに1佐=大佐。シャアはこのぐらい偉い訳ですか、ふむふむ。その上に存在する将補、将が会社で言えばさしずめ役員といったところのようです。ただこのクラスに上がるには防衛大学校などを出て、初めから幹部候補として入隊しないとまず無理みたい。

結論としては、将の中でさらに「統合幕僚長」についた人を、我々一般は“一番偉い自衛官”と考えていいようです(自衛隊組織では、あくまで大臣を補佐する幕僚の一人という立場)。

ただ学校で習ったように、自衛隊は文民政治家の「シビリアンコントロール」の統制下にあります。従って、自衛官の中でも一番偉い統合幕僚長の上に「防衛大臣」が、さらにその上に「内閣総理大臣」がいるというのが、冒頭のクイズの意味。なじみの薄い世界であるだけに複雑ではあるけれど、これぐらいは覚えておくべきかもしれません。

(即応予備自営ライターU)

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