ヤバいのは年金だけじゃない?

サラリーマンの健保組合「9割が赤字」で保険料UP続々

2011.06.16 THU



図版作成/藤田としお(健康保険組合連合データより)
大企業のサラリーマンが加入する健康保険組合(以下、健保組合)が、危機的状況だ。健保連がまとめた2011年度予算によれば、健保組合全体の経常赤字は6089億円。全国1447の健保組合のうち約9割が赤字に陥る見込みだという。しかも、これには震災による影響は含まれていない。今後は保険料収入の減少、医療費負担の増加によってさらなる財政悪化が懸念されている。

当然のことながら、そのしわ寄せはサラリーマンにいく。赤字補てんのため、保険料率の引き上げに踏み切る組合も多く、2011年度中に保険料を引き上げる健保組合は全体の4割に上っているのだ。いったいなぜ、健保組合の財政はここまで逼迫したのだろうか?

「多くの健保組合が赤字に転落するきっかけとなったのは2008年に施行された後期高齢者医療制度。高齢者の医療費を支えるため、健保組合が支援金を拠出することになり、それが組合の財政を大きく圧迫したといわれています。さらに、現役世代の間ではメンタルヘルスの患者が急増しており、病気で仕事ができない場合に給付される『傷病手当金』の支給額も増えています。これも組合運営に少なからず影響を及ぼしていると思われます」(社会保険労務士の成澤紀美氏)

こうした状況から、最近では自社の健保組合を解散し、中小企業のサラリーマンたちが加入する「協会けんぽ」に移行する企業も増えているという。では、もしそうなったら、そこで働く従業員にはどんな影響があるのか?

「協会けんぽに移行すれば、健保組合ならではの手厚い補償や福利厚生制度などが失われ、保険料の負担率だけがアップします。当事者が感じるギャップは想像以上に大きいと思いますよ」(同)

解散までいかずとも、支出削減のため、福利厚生費を圧縮したり、保険料率を引き上げる組合は今後も増える見込み。サラリーマンの負担は増す一方だ。
(榎並紀行)


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