今さら知っとく自衛隊/第8回

自衛官はどんなところに寝起きしている?

2011.07.12 TUE


共同部屋の寝起きで問題なのが、いびき、歯ぎしり。耳栓したら、今度は朝の起床ラッパが聞こえない…。 イラスト/ホリユウスケ
自衛隊がいるのはすべて「自衛隊の基地」だと思っている人がほとんどかもしれない。しかし、実は基地と呼べるのは海上自衛隊、航空自衛隊だけであり、陸上自衛隊がいるのは「駐屯地」となっている。駐屯とは「軍隊がある土地にとどまる」という意味。これは海空の基地が固定的な拠点であるのに対し、陸軍は移動した場所ごとに拠点を作るという特性によるもの。いずれにせよ、外部から見る分には鉄条網付きの柵や塀に囲まれた謎の場所なわけだが、隊員たちはそこでどんな生活をしているのだろう? とくに寝起きする空間が気になるんですよねえ…。

「自衛隊員には指定場所に居住する義務があります。そのため曹長より下の階級の独身者は駐屯地内にある隊舎で普段寝起きしています。既婚者や曹長以上の隊員は外の官舎(自衛隊隊員のみが入居できる団地)や、家を持つことができますが、いずれにせよ所属する駐屯地のそばになりますね」(元陸上自衛官)

全ての隊員があの柵の中に住んでいるわけではないんですね。では隊舎住まいの隊員が持てる自分専用の部屋、というかスペースはどれくらいあるんですか?

「ベッドの上とちいさなロッカー、のみですかね(笑)。部屋は広いですが、2段ベッドの6人部屋とかありますから厳密な自分だけの空間なんてほとんどありません。ただ、所属する中隊や階級にもよるので、パーテーションで仕切られた簡易個室を早々に手にいれて同期にうらやましがられる隊員もいます」(同上)

いずれにせよプライバシーがどうのこうのいえる状況ではないようです。それって他の自衛隊でも同じなのでしょうかね?

「私が基地で割り当てられていたのは1段ベッドの5人部屋でしたね。ただ、外に休日用の下宿を借りる人も多いですよ。休みの日ぐらい、先輩だとかのしがらみから離れたいですし(苦笑)」(元海上自衛官)

聞けば、海上自衛隊員に限らず、休日を過ごすための部屋を近場に借りる自衛隊員がけっこういる様子。休日とはいえ、外泊するなら許可が必要のようですが。また、地元も心得ていてこのニーズに合わせた物件があるようです。

それでも、休日が終われば寝起きからなにからみんな揃っての共同生活。やっぱり特殊な環境だけどそれでも衣食住にお金がかからないのは魅力的。特に普通なら大きな出費を占めるはずの「住」が用意されているなんてうらやましくも思えるけど、よくよく考えてみればそこに寝起きすること自体が、いつ呼び出されても対応しなきゃならないという仕事の一部なわけか。陸上自衛隊では抜き打ちで非常呼集訓練なんかもあるようだし、プライベートをとにかく優先したい人には向かない職業かもしれませんね。

(即応予備自営ライターU)

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