ロシア流ジョークは“口コミ”に支えられている!?

「アネクドート」にみるロシア人のユーモア感覚とは?

2011.07.28 THU


ロシア語でしかニュアンスが理解できないため日本では知られていないが、韻や発音に引っかけた“ダジャレ”もポピュラーなネタだとか
イラスト/中村 隆
え~、どのお国にもそれぞれ特有のユーモアがありまして、日本人は落語や漫才で腹を抱えて笑っていますなぁ。ロシア人というと仏頂面のイメージが強いですが、かの国の人々もユーモアには少々うるさいようで…。

「ロシア人が親しむユーモアといえば、『アネクドート』と呼ばれる小咄。酒の席はもちろん、ビジネスの場でも披露され、人間関係の潤滑油のような役割を果たす、国民的なジョークなんです」

そうおっしゃるのは、ロシア人向けのガイドとして活躍しながら、アネクドート関連の書籍を多数執筆するさとう好明さん。そのアネクドートってのはどんな小咄なんでしょうかね?

「政治・経済などの社会状況を踏まえた小咄から、男女関係など庶民の生活に根ざしたものまで題材は様々。特徴は、ちょっと風刺が効いていて、頭をひねって面白さがわかる“考えオチ”が多いこと。例えば…『先生おめでとう、手術は成功ですね。ただそれを患者に伝えられないのが残念です』」

……あ、結局患者は助からなかったってことですな? う~ん、日本人からすると、ロシアの笑いはややひねくれていて難解かも。

「たしかにブラックな咄もありますが、その場合はロシアの政治・社会制度などをオチにして、自虐的に笑い飛ばすことが多いですね。そもそも80年代後半になって、ようやくアネクドートを集めた本がおおっぴらに売られるようになりましたが、それまではお上を笑いものにするという性質上、紙に残すことはできるだけ避けられてきた歴史があります。今でも基本的には口コミ文化なので、新鮮で面白いネタは、人々のコミュニケーションのなかから日々生まれているんです」

さとうさんいわく、実際もっとも広く使われているのは政治ネタではなく、下ネタやダジャレなどのやわらかいネタなんだとか。それなら、日本の飲み屋トークと大差ありませんな!
(山口侘助)


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