専門職種の年金廃止が相次ぐワケは?

芸能人・政治家に続き…プロ野球「年金廃止」ウラ事情

2011.08.04 THU


今年3月のオーナー会議。「プロ野球年金」の支給額は年間100万円強。選手登録10年以上が受給資格条件となり、55歳から支給されるシステムだ
画像提供/時事通信社
今年3月、「プロ野球選手の年金制度が廃止か」というニュースがあった。実はここ数年、プロ野球以外でも、芸能人や地方議員など特殊な職業の年金廃止が続いている。いったいどんな背景があるのだろうか?

「そもそも年金は主に自営業者などが加入する『国民年金』、会社員が加入する『厚生年金』、公務員などが加入する『共済年金』という公的年金と、それらに上乗せする私的年金があります。今回、話題となったプロ野球選手の年金は後者にあたりますね」(ファイナンシャルプランナー・吉野充巨さん)

「私的年金」とは国以外の企業、各種団体が独自に運営する年金のこと。企業が厚生年金とは別に設ける企業年金もそのひとつで、「プロ野球年金」もその一種だ。

吉野さんによれば、プロ野球を始め特殊な職業の年金の廃止が続いている背景には、「適格退職年金」を利用していた団体が多かったことがあるという。

「『適格退職年金』は平成8年までは予定利率5.5%と高利回りで、多くの各種団体や中小企業も採用していました。ただ、近年、受給者に約束していた予定利率で年金を支給することが困難になり、2002年に12年3月での廃止が決定されたんです」

予定利率の確約が困難になった理由は、近年の不況にともなう株価や債券(価格)の低迷である。

「ただ、廃止にあたってこの制度に代わるものも作られました。しかし、これを契機に『適格退職年金』を利用していた企業・団体の4割が乗り換えをせず、資金難などを理由に企業年金をやめているのです」

なぜ乗り換えをしなかったといえば「資金運用リスクや加入者への運用教育などの負担が大きいため。特に美容院や飲食店など個人経営企業は、その負担を嫌って廃止したケースが多い」とのこと。自分の将来は自分で守る時代、なのかもしれない。
(鯨井隆正)

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