アメリカにあって日本にない?

日本の「借金限度額」は一体いくらなのか?

2011.09.15 THU


米国債は4割以上を海外が保有し、ギリシャは7割以上。日本の国債は国内の銀行や企業が買っているので、いまのところリスクは小さいが…
画像提供/AFLO
米国が「国の借金」の限度額を引き上げたことが話題になった。米国では、近く借金がGDP(国内総生産)を超えて15兆ドル(約1155兆円)に達するといわれるが、一方で借金の上限は14.3兆ドル(約1110兆円)と法律で決められていた。そこで上限の引き上げを決め、デフォルト(債務不履行)を回避したのだという。

もっとも、巨額の借金は日本も同じ。財務省によれば、国債や借入金などの「国の借金」の総額は、今年6月末時点で約943兆80

00億円。しかも、3月末と比べて3カ月間で約19兆4500億円も増えたうえ、震災復興のための復興債の発行など、国の借金は今後もさらに膨らむ見通しなのである。

日本はこの先、いくらまで借金できるのか。日本には債務上限を定めた法律はないが、目安となるのは日本人の家計の金融資産、総額約1400兆円。国の借金の大半を占めるのは国債で、米国や財政危機に陥ったギリシャと違い、日本ではその約9割を国内の銀行などが買っている。つまり、銀行預金などを経由して国の借金を国民みんなの貯蓄で賄っているわけだが、問題は、この1400兆円があくまで家計の“総資産”だということ。

じつは、国内の家計の総資産から住宅ローンなどの負債を差し引くと、“純資産”は約1100兆円しかない。そのうえ、景気低迷のために貯蓄は増えないし、株や社債などのリスク資産も目減りする。これからもっと高齢化が進めば貯蓄を取り崩す動きも強まるはず。いまの調子で国の借金が膨らんでいくと、数年先には家計の純資産を上回ってしまう可能性もあるのだ。そうなれば国内だけでは国債を購入できなくなる。外国から借金する比率が増え、国債価格が暴騰して金利が上昇、ギリシャのような事態になってしまうかもしれない。

国の借金についてはいろんな意見があるが、財政再建と経済成長がさかんに叫ばれる背景にはこんな財政事情があるのだ。
(押尾銅山)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト