世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

世界各国で財政難から新税創設ラッシュ!?

2011.10.06 THU

経済学ドリル


【問1】ハンガリーが導入した「ポテチ税」、1キロあたりの課税額は?

(A)約80円(約80億円の税収増)
(B)約160円(約160億円の税収増)
(C)約240円(約240億円の税収増)

【問2】中国が新たに課税の対象とした食品とは?

(A)点心
(B)アイスクリーム
(C)月餅

【解説】リーマン・ショック以降、世界各国は急激に落ち込む景気を下支えるために巨額の財政支出を行ってきました。その結果、景気はなんとか回復軌道に乗りましたが、主要国の財政赤字は深刻なものとなっています。ギリシャやアイルランド、ポルトガルのように政府が借金の返済に支障をきたすようになった国すらあるほどです。こうしたなか、財政再建が喫緊の課題となっている国では、新税を創設するなどして税収の拡大を図っています。
たとえば、東欧のハンガリーでは2011年9月1日から新たに「ポテチ税」を導入しました。「ポテチ税」は国民の肥満防止を目的とした税で、スナック菓子や清涼飲料水など塩分や糖分がとくに高い食品・飲料に課税するというものです。政府は国民の肥満予防と税収の増加という一石二鳥を狙っています。「ポテチ税」はかなりユニークな税金ですが、これまでの歴史を振り返ってみると、「ヒゲ税」や「独身税」、「カエル税」などびっくりするような面白い税金がたくさん見つかります。

[正解] 問1:A 問2:C


門倉貴史 かどくら・たかし 慶應義塾大学経済学部卒業後、金融機関のシンクタンクで主任研究員などを歴任。現在、BRICs経済研究所代表。専門は日米経済、BRICs経済、地下経済など。著書に、『本当は嘘つきな統計数学』(幻冬舎新書)、『ゼロ円ビジネスの罠』(光文社)など多数

タバコ増税は復興・復旧財源に不向き?



日本の財政赤字も深刻化し、2011年9月に発足した野田新政権は東日本大震災からの復興財源の調達に腐心しています。
タバコ税の増税も財源案のひとつとして挙げられ、小宮山洋子厚生労働相はタバコ1箱を700円にすると発言、物議を醸しました。タバコ税引き上げの狙いが税収とは無関係に国民の健康増進にあるのなら異論は少ないのでしょうが、復興財源を調達するためにタバコ増税を実施するということであれば話がこじれてきます。
まずおさえておかなければならないのは、タバコ税を増税したからといって税収が上がるとは限りません。なぜなら、喫煙者がタバコの価格変化にどのように反応するかによるからです。ちなみに1箱700円に値上げした場合は、値上げによって喫煙者が80%を超えて減少すると税収減、減少率が80%以内なら税収増になります。税収への影響は、結局のところ、実際にタバコの値段を700円にしてみなければ分からないのです。それに、タバコ価格の引き上げ幅と喫煙者の減少率は必ずしも比例しません。タバコの値段が極端に上がれば、喫煙者の禁煙意欲が猛烈に高まり、禁煙率が比例的にではなく加速度的に上昇する可能性が高いといえます。1箱300円が400円になるのと、1箱300円が700円になるのとでは喫煙者の減少率は全く異なってくるのです。このようなことを踏まえると、極端なタバコの値上げによって、政府の税収が増えるか減るかを事前に試算してもあまり意味がありません。そして、増税してもこれまでのように安定した税収を維持できるかどうかが不透明である以上、それを復興・復旧財源とすることには無理があります。
歳出の無駄を省くのが最優先ですが、それでも増税が必要なら、来年度からの5~10年間で所得税や法人税の引き上げを実施した方が、復興・復旧財源としては安定的で確実といえます。

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