「量より質」という声もあるけれど

主要国の相場はどれくらい? 首相の“記者会見”回数

2011.11.17 THU


就任以降、野田首相の会見は多いときで月10回前後。ちなみに、官邸内で記者の質問に1日2回応えるスタイルを始めたのは小泉元首相
画像提供/時事通信社
野田首相が「ぶら下がり取材」に応じない方針を打ち出している。ぶら下がりとは、記者に囲まれたり、歩きながら首相が質問に答える取材方法で、歴代首相はみんな応じてきた。しかし野田首相は、記者会見などで情報発信していくという理由でそれを拒否。マスコミに「国民への説明責任を果たしていない」と言われているのだ。

では、一国のトップが国民に対する「説明責任」を果たすにはどれくらい記者会見をやればいいのか。

「米国では大統領報道官が1日1回、ホワイトハウスに常駐するメディアに向けた記者会見を開いていますが、大統領の定例会見はありません。必要に応じ、そのつど会見や国民に向けた演説を行います」

こう話すのは、共同通信やブルームバーグで海外特派員をつとめたジャーナリストの小田光康氏。

じつは、大統領や首相がぶら下がり取材に毎日応じたり、定例会見を行ったりする主要国はほとんどない。英国では、首相の記者会見はその大半が各国首脳との会談後の共同会見だし、フランスの大統領も、やはり各国首脳との会談後や重要な政治課題のさいに行うぐらい。野田首相の会見の回数が少ないというわけではないのだ。

「問題は回数ではなく、その中身です。米大統領は会見で説明すべきことをとことん説明するし、質疑応答の時間を30分ぐらい作り、記者もどんどん質問をぶつけ、それにもちゃんと答える。そのかわり、大統領は言うべきではないことは絶対に言いません。一方、日本の首相の会見は演説に近く、記者もあまり質問しない。そして、会見後にぶら下がりで質問したりする。国のトップの情報発信で大切なのは公開性、透明性です。その点、米国のほうが説明責任の意味をよく理解しています」(小田氏)

ここ最近、政治家の失言やマスコミの揚げ足取りが問題にもなっている。あらためて首相の情報発信のあり方を考えてみるべきときなのかもれない。
(押尾銅山)


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