「船中八策」にも登場。そのメリットは?

橋下市長が「道州制」を目指すワケ

2012.04.05 THU


大阪維新の会は「与野党が道州制実現に向け道筋を付けなければ、次期衆院選に候補を立てる」と示唆。早くも政局化の雰囲気が漂う
画像提供/読売新聞/アフロ
橋下大阪市長が率いる大阪維新の会の政策集「船中八策」に記されたことで「道州制」が再び注目されている。道州制とは、都道府県を廃止して、全国を10前後の“道”や“州”に再編する構想。論者により差異はあるが、各道州に行政権や立法権、課税権を与えることで、中央集権体制や東京一極集中を是正する政策とされている。しかし、話題に上ってもなかなか議論が具体化してこなかった。何か導入を阻む問題点があるのだろうか? 導入のメリットと課題について、道州制に詳しい北九州市立大学の南 博准教授に聞いた。

「道州制のメリットは、広域自治体に予算と権限を移譲して政策決定の自由度とスピードを高めることで、地方行政・経済の活性化が期待できる点。ただ、道州(同床)異夢という言葉があるくらい、人や地域によってとらえ方が異なり、総論では賛成できても、各論で合意できないんです。加えて、道州ごとの格差、都道府県への愛着、国としての一体感の薄れなどを問題視する人も多い。また、道州に権限を奪われることを嫌う省庁の抵抗も根強い。これらを解決するには、強いリーダシップと国民の支持が必要ですが、これまで道州制推進派に、そういった政治家は見当たりませんでした」

しかし、今回は強いリーダシップを持った橋下大阪市長が前面に打ち出している。もしかすると、大きな進展があるかもしれない。

「もし衆議院解散が現実味を帯びると、道州制が争点のひとつになる可能性はある。そうなると、議論が加速すると思います。とはいえ、国・道州・市町村の役割分担や財政の仕組みづくりは難問だし、各地域で合意形成できるかなど課題は山積みです」

道州制の制度設計を始めて、実際に着手するには、どんなに早くても5~10年は必要とのこと。政局がらみで注目される可能性はあるが、現実にはかなりハードルが高いようだ。
(笹林 司)


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