バラバラ発表されてよくわからない

原発ゼロで夏の電力はどうなるの?

2012.05.17 THU


稼働を停止した泊原発。太陽光発電などはパネル価格も下がり、固定価格買い取り制度も本格スタート。こうした再生可能エネルギーにも期待したい
画像提供/時事通信社
5月5日、北海道電力の泊原発が定期検査のために停止。ついに電力供給の24.9%を占める原発全50基が停止した。そこで懸念されるのが夏の電力不足。気象庁によれば今夏の気温は「平年並みか、やや高い」との予想。果たして電力は足りるのか? 関係機関の見解は微妙にバラついている。

まず資源エネルギー庁は、「原発の再稼働がなく、猛暑となった一昨年並みのピーク需要がある場合」、約10%の供給力不足と試算。一方、電力会社側の見通しは全国で66万kW(0.4%)が不足、特に関西電力管内では16.3%不足するという。さらに、この結果を政府が検証したところ、今度は全国で0.3%の供給力不足になるとの見解が。

こうしたバラつきはなぜ生じるのか? 実はいずれの機関も電力の「供給力見通し」は大差ない。見解が異なるのは「需要」の方だ。「もっと節電できる」と捉えれば「供給余力はある」となるし、「これ以上節電は無理」と捉えれば「電力は足りない」という見立てになる。エネルギー問題に詳しい日本総研調査部・藤波 匠氏は言う。

「東京電力は昨夏以降、火力発電を中心に昨夏比500万kW以上の供給力を増強しています。一方、関西電力はもともと原発依存度が高いので、原発停止の影響が大きく、電力不足が懸念されているのです」

となれば、企業や家庭での節電は欠かせない。

「関西の製造業は現在厳しい経営環境下にあり、大幅節電の強要は難しい。今夏は、それ以外の企業や一般家庭でさらなる節電が求められるでしょう。企業の取り組みとしては、夏期休暇の一斉取得や照明のLED化などが有効です」

とはいえ、これらは短期的な対策。

「原油とガスの価格が値上がりしているなか、中長期的に取り組むべきは再生可能エネルギーへのシフト」(インフラ投資ジャーナリスト・今泉大輔氏)という声も多い。

電気を使う意味を大いに問われる夏になりそうだ。
(石原たきび)


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