日本の政治家が言及したこともありますが…

世界各国におけるUFO問題の傾向と対策

2012.06.19 TUE


イギリス国立公文書館は、2011年にUFOに関する機密文書を公開した。多くは21 世紀に入ってからのものだが、1950年代頃の資料もあるという ※この画像はスクリーンショットです
6月24日はUFOの日。アメリカで世界初の空飛ぶ円盤が目撃され、ロズウェルに宇宙人が墜落したのが今から65年以上も前である。65年といえば、人間ならばそろそろ定年。しかし、いまだ世界でUFO騒動は頻発し、アメリカの地下基地には今も“定年後”の宇宙人が眠っているのかもしれない。そこで本稿では、いまだ終わらぬこのUFO問題について、世界各国がどう反応し、どう取り組んできたかを紹介したい。

1. アメリカ
世界のUFO問題の中心地であるアメリカは早期から、この“新たな脅威”に対して国家レベルで調査を行っている。有名なのは1950年代に行われたプロジェクト・ブルーブック。当時目撃報告が相次いだ「空飛ぶ円盤」について、軍部を中心に情報収集/整理がはじめて行われた(UFOという言葉もこのとき、軍事用語として決定された)。更に1969年には一流の科学者らを巻き込んだコンドン調査委員会が発足。そこで提出された結論はおおまかに「未確認飛行物体が存在する証拠は存在しない」という否定的なものだった。しかしアポロ計画疑惑やJFK暗殺事件を例に挙げるまでもなく、陰謀論大好きの彼の国民。人々はそんな政府の説明に納得するわけもなく、いまだ火種はくすぶり続けている。

2. 南米
アメリカのUFO目撃報告が年々減少する一方、UFO業界で急速に存在感を強めているのが、ラテンアメリカである。特にメキシコは90年代以降、「宇宙人が警察を襲撃」や「軍がUFOの映像を公開」といった派手な事件を惜しげもなく連発し、世界のUFOマニアから熱視線を浴びた。またUFO目撃報告の多い地域として知られるブラジルは、2010年8月には政府が突然、市民や航空パイロットに対して、「UFOを目撃した際は航空宇宙防衛司令部に報告すべし」という大胆な政令を発布。更にそれをデータベース化して市民が閲覧できる体制を整えるなど、「UFO先進国」ぶりをみせつけている。

3. アジア
ロシアと中国では、「情報鎖国」状態にあった80年代後半まで、UFOについてどのように研究され、扱われているのかはほとんどが謎に包まれていた。しかし旧ソ連のペレストロイカや世界的な情報公開の流れの中で、徐々にその全貌が明らかになりつつある。両国では元々、UFOは非科学的(反共産主義的)である、という理由から、その研究なども公には禁止されていた(こっそり政府が研究していたという説もある)。ところが、最近になり、政府が姿勢を軟化した事を受け、中国科学院等でもUFOの研究が比較的自由に行われるようになった。特に中国では2010年頃から目撃報告が激増。一時は「今日のUFO」さながらにUFOネタが連日ニュースで取り上げられるほどの盛り上がりを見せた。

4. ヨーロッパ
UFO研究に邁進するアメリカをあざ笑うかのごとく、昔から比較的クールな態度を貫いているのがヨーロッパである。50年代当時、心理学の観点からUFOを論じたユングや、神話や宗教学の観点からもUFO研究を行うフランスの計算機科学者ジャック・ヴァレー博士など、元々ヨーロッパではUFOに対して学術的なアプローチを行う向きが強い。最近では市民からの開示請求を受け、フランスやイギリスが過去のUFO機密文書を相次いで公開するなどしているが、その中身の多くは目撃事例とその簡単な研究に留まり、結論はおおむね「異星人が存在するといえる証拠はいまのところない」といった、極めて大人で、穏健な態度をとり続けている。

5. アフリカ
アフリカにおけるUFO問題は、今日までほとんど暗黒に包まれているといっていいだろう。熱心な欧米の研究者らによって、南アフリカはじめ、幾つかの目撃事例が研究されてはいるが、そもそもアフリカの人々の間で「航空機」という概念がない時代、航空機もUFOも一緒くたに人々を驚かせる存在であったため、現象の切り分けが極めて難しい。また上空から救援物資を投じた航空機を神と崇めるケース(カーゴ信仰)や、近代に宣教師から伝えられた宇宙の知識が神話に取り込まれたケースなど(マリ・ドゴン族のシリウス神話)、UFOが人類規模の「神話的寓話」である可能性を示唆する事例も多く、別の意味で興味深いといえる。

6. 日本
戦後に始まった日本におけるUFO研究は、強くアメリカの影響を受けている。1955年、アメリカの「空飛ぶ円盤」目撃に刺激を受けた星新一や石原慎太郎、三島由紀夫といった文化人により日本空飛ぶ円盤研究会が発足しているが、活動の中心はアメリカの目撃事例を分析するという同好会的なものであった。また70年代、アメリカのUFO第二次ブームを受け、日本に「UFO」という言葉を輸入した矢追純一氏の番組や、それにインスパイアされたピンクレディーの「UFO」によって、UFOという言葉が一般化。アメリカに10年遅れて民間での目撃や誘拐事例も報告されるようになった。最近では「UFOは存在すると思う」と力説した町村元官房長官や、「UFOに乗って金星に行った」というアダムスキー的エピソードを惜しげもなく披露した鳩山夫人、唐突に謎の「UFO国会答弁」を行った民主党の山根議員など、頼もしい政治関係者たちによるUFOハッスルが注目を集めた。しかしこれらの奔放な発言は、アメリカと異なり、日本においてはUFO問題について何らコンセンサスが存在しないほどに無関心であった事の裏返しであるといえるだろう。
(X51.ORG)

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