「夫がクリンゴン人なんです! だから別れさせて!」

イギリスで「ヘンな離婚理由」急増

2012.07.10 TUE


人口1000人あたりの離婚件数は、イギリスの2.4に対し、日本は2.0程度。日本の離婚件数は平成14年の29万組をピークに減少に転じ、平成20年は25万組となっている shony / PIXTA(pixta.jp)
今年4月のNYタイムズ紙によると、最近のイギリスではにわかに信じられないような理由で離婚しようとするカップルが急増中だとか。

その理由とは「夫がクリンゴン語を話し、クリンゴン人の服を着ている(※)」「妻が私の嫌いな料理を作る」など、弁護士Vanessa Lloyd Platt氏いわく「馬鹿げた理由」ばかり。

しかも驚くべきことに、こうした馬鹿げた理由が離婚訴訟で審議されているというのです。いったいなぜこんな離婚理由が法廷に持ち込まれるのでしょう? これには同国の離婚制度の厳しさが絡んでいます。

たとえばアメリカには、1970年に制定された「無責離婚法(No-fault divorce law)」という離婚法があります。この法律のポイントは、不倫や暴力など明確な落ち度が相手方になくても、その相手との婚姻解消を請求できること。1年間別居状態が続き、やり直すことが不可能だと一方が判断すれば、夫婦双方の合意がなくても離婚できるのです。

ところがイギリスでは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」がないかぎり、夫婦いずれかの意思だけで一方的に離婚することはできません。ゆえに多少強引でも「重大な事由」をこしらえ、なんとか離婚に持ち込みたいという人が増えているわけです。そう、ダンナがクリンゴン人だと言い張るような。

イギリスの司法当局もアタマを抱えているようで、判事のMatthew Thorpe氏は「もし無責離婚法がイギリスで制定されれば、審議するに値しない事例が減るだろう」とコメント。EU諸国では離婚率がトップクラスのイギリスだけに、いずれ法改正される可能性もありそうです。

ちなみに日本の離婚原因の1位は、男女ともに「性格の不一致」です。「異性関係」(男性の離婚原因2位、女性の離婚原因3位)よりも、「暴力をふるう」(女性の理由2位)よりも多いのです(「婚姻関係事件数」司法統計 家事21年度より)。

今年2月末、森永乳業が45~54歳の夫婦500人に対して『パートナーに関する調査』を実施したところ、「パートナーに不満アリ」と答えた人が約50%に上りました。結婚生活を送っている夫婦の半数が、相手になんらかの不満を持っているわけです。こうした数値を目にすると、やはり結婚の相手選びは慎重にした方がよさそうですね。

※クリンゴン人:SF作品『スタートレック』の登場人物

(筒井健二)

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