発がんリスクで、加入者増加の噂も…

原発事故で、がん保険料は上がる?

2012.12.06 THU

原発事故のニュースを受けて、放射線による健康被害を心配する声が広がっている。報道の際、度々引き合いに出されるのが1986年に起こったチェルノブイリ原発事故だ。国際がん研究機関(IARC)では、被ばくによるがん死亡者数を1万6000人と推計。低度の汚染地域も含め、欧州全域計40カ国の住人に発がんリスクが発生したとの見解を示した。

この2006年のIARCの発表には賛否両論あるものの、こうした報道の影響か、福島から200km以上離れた東京においても放射線を恐れる向きがあり、なかには「がん保険に慌てて加入した」なんて人もいるようだ。インターネットではがん保険の加入者急増や、発がんリスクの上昇に伴う保険料の値上げを予想する声まで上がっている。

実際問い合わせなどは増えているのか? 首都圏を中心に複数社の保険営業を担当するパワーリンクの江部秀行さんによれば

「とある保険会社から、ボランティアに向かう前に、がん保険に加入する人がいる、という話はきいたことがあります。ただ、特にがん保険に関する問い合わせや加入が増えているということはありません。特に心配するとしたら、福島など原子力発電所に近いエリアだと思いますが、取り扱っている三十数社の保険会社から、特に当該エリアでの加入者が増えたという情報も入っていません」

とのこと。さらに、がん保険国内シェアNo.1を誇るアフラックも同様に「確かに報道などを通してそうした関心の高まりを感じることはありますが、ビジネスへの影響は特にありません」との回答だった。

では、保険料の値上げに関してはどうなのか?

「原発事故の影響を懸念して値上げを行うことはありません。また、高度汚染地域に住んでいることや、原発で働いていることを理由にご契約をお断りしたり、保険料が割高になることもありません。新規ご契約の際には、あくまで申込時の健康状態を含む告知内容をもとにお引き受けについて判断しています。契約後も、原発事故を理由に保険金をお支払いしないということはありません」(アフラック広報部)

というわけで、現在のところ心配されるような保険への影響はとくにないようだ。
(榎並紀行)

※この記事は2011年06月に取材・掲載した記事です

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