日本1周ご当地不思議巡り/第22回

日本のあの県がハリウッド化を狙う!

2012.10.05 FRI


佐賀駅前の南口ロータリーは、映画『悪人』で祐一(妻夫木聡)と光代(深津絵里)が待ち合わせをしていた場所。
有田焼や伊万里焼に代表される焼き物のイメージが強い佐賀県。そんな佐賀県民の支出傾向を探ってみると、意外なデータを見つけました。

佐賀県は、「音楽・映像収録済みメディア」、平たくいえば、CDやDVDにかけるお金が全国1位なのです。(※総務省「平成21年度 全国消費実態調査」より)

1位 佐賀県 781円/月
2位 神奈川県 677円/月
3位 栃木県 657円/月
4位 岩手県 606円/月
5位 島根県 560円/月

なぜ佐賀県では音楽・映像作品のCD・DVDにたくさんお金を使うのでしょうか…と思って調べてみると、もうひとつ意外な事実を発見。平成16年度(2004年)の同調査を振り返ってみると、佐賀県は全国46位(180円/月)だったのです。わずか5年で、なぜこんなにも変わったのでしょう?

そのきっかけと言えそうなのが、非営利公的機関「佐賀県フィルムコミッション」(SFC)の設立。佐賀県は2005年、「映像を通じて“佐賀県”のPRを行い、また、より多くの県民の方々に質の高い映画を観てもらうことで映像文化の定着振興を図る」という目的で、SFCを設立したのです。

SFCでは、テレビや映画のロケ誘致や地元エキストラの手配も行っており、映像制作をバックアップしています。ちなみにSFC設立以降に佐賀県内でロケを行ったドラマ・映画は以下の通り。

2006年放送ドラマ『のだめカンタービレ』
2007年放送ドラマ『佐賀のがばいばあちゃん』
2010年公開映画『悪人』
2010年公開映画『ソフトボーイ』
2011年公開韓国映画『家門の栄光』
2012年公開『僕達急行 A列車で行こう』

今年公開された『僕達急行 A列車で行こう』では、SFCがロケ誘致のみならず、ロケ地ツアーの企画やDVDのプロモーション制作支援も行ったそうです。地元で撮影した作品には愛着も湧くでしょうし、家族・知人がエキストラとして出演していれば、ついつい見たくなってしまうもの。そうした思いから、地元ロケ作品を購入する県民が増えたのかもしれません。

そんな佐賀県、近年はIT活用にも積極的。100年以上前に新しい成長産業であった映画産業が、大都市ではなく、ハリウッドという地方都市で定着したことにヒントを得て、2005年には『アジアのハリウッド構想』を策定しました。佐賀県はアジアのハリウッドになり得るのか!? 今後の動向が楽しみですね。
(長谷川浩史/梨紗)

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