風力、バイオマス…再生可能エネルギーで挑戦

“電力自給自足”の町とは?

2012.11.01 THU


山梨県・都留市役所前に設置されている小水力発電所「元気くん1号」。木製水車で発電された電力は、市役所内で使用。休日は売電している
画像提供/時事通信社
エネルギー政策が再検討されるなかで注目される「再生可能エネルギー」。化石燃料や原子力に比べ、安全性や持続可能性に期待が高まる反面、電気料金の高騰や安定供給の面で不安視されている。ところが、地方自治体のなかには、地域内で発電し、電力自給自足を目指す地域も少なくない。その事例と問題点を、千葉大学で再生可能エネルギーの研究を行う馬上丈司先生に聞いた。

「電力自給自足で有名なのが岩手県葛巻町。酪農や林業が盛んで、牛の糞尿や間伐材などのバイオマスを資源にしたエネルギー開発を、自治体主導で90年代から始めています。風力発電所やソーラーパネルも設置し、エネルギー自給率200%近くまで到達しています」

90年代から、自治体がエネルギー政策を始めていたとは!?

「福島県天栄村でも、1999年に高地のスキー場での風車建設に着手し、2000年から風力発電を始めています。総工費10億円のうち5億円を国の補助金で賄い、残りは村で負担したそう。売電収入が年間約6500万円で、すでに初期費用は回収したと聞いています。長野県飯田市では04年に市民からの出資を募り、住宅や保育所にソーラーパネルをつけ、配当を住民に還元しているそうです」

ということは、ほかの自治体でもその気になれば、十分成立し得るってことなのだろうか?

「一概にそうとは言い切れません。葛巻町も天栄村も、バイオマスを生み出す農業や林業などの一次産業や、高地で風が強いといった特色を生かして発電したから、成功したんだと思います。また、現在の制度では、発電したら一度電力会社に売り配電してもらう形になるのが問題なんです。葛巻町でも震災後、風車が動いているのに停電するという事態が起きたそうです」

期待が増す一方、ハードルは高い。この分野で成功すれば、日本の未来がもう少し明るくなると思うのだが…。
(有竹亮介/verb)


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