トンネルは60年、橋は50年…

交通インフラの「寿命」迫る!?

2013.02.07 THU


東京・日本橋川にかかる首都高の環状線。現在、高架橋を撤去し、地下化などを含めた再生を目指しているが、地下化にかかる費用は数兆円とされる 画像提供/PANA
昨年12月、晴れて50歳の誕生日を迎えた首都高速。一方、同じ12月に、中央自動車道の笹子トンネルでは天井板の崩落事故が発生。老朽化したインフラの危険性が明らかになった。この笹子トンネルの年齢は35歳。交通系のインフラは、国道や都道府県道のトンネルが平均32歳、国道の橋が平均35歳、鉄道のコンクリート橋が平均39歳とほぼ“同年輩”だ。

「これは建設時期が集中したためです。インフラの多くは高度経済成長期に整備され、すでに30~50年経っています。橋やトンネルなども同様で、今後一斉に老朽化が進行すると想定されます」

そう教えてくれたのは、『朽ちるインフラ』などの著書がある東洋大学教授・根本祐二氏。では、橋やトンネルなどの寿命とは?

「法定耐用年数によれば、橋は50年、トンネルは60年とされています(ともに鉄筋コンクリート造)。ただし、これは減価償却を基に算出した目安であって、正確な寿命ではありません」

今ある交通インフラの延命措置は可能なんでしょうか?

「技術的には可能ですが、問題は費用対効果です。建て替えの50%の費用をかけるなら、50%相当の期間、延命できないと割に合いません。その効果がないと判断されれば、建て替えるか、使用停止にするしかないのです。すでに全国で200本以上のトンネルが使用停止になっているんですよ」

では、今あるインフラの維持にいくらかかるのか。国交省の試算によれば、2011年度から今後50年間で、なんと190兆円もの費用が必要になる見通しだとか。

「現時点では、5年に1回程度の点検や修繕を行いつつ、修復のための技術開発に注力しています。傷みが少ないうちに保全できれば、将来的なコスト削減につながるためです」(国土交通省道路局)

もしやこの高齢インフラ、赤字国債や年金以上に深刻な負の遺産なのかも…。
(矢口絢葉+ノオト)


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