世界一の軍事大国による恐るべき宇宙兵器開発

米SF兵器「神からの杖」構想とは

2013.04.03 WED


2009年、プラハで核廃絶に向けた演説を行うオバマ米大統領。その裏では、核兵器に代わる未来型兵器の開発が着々と進んでいるようだ 写真提供/AP/アフロ
少し前になるが、アメリカ政府に寄せられた「デス・スター(映画『スターウォーズ』に登場する宇宙要塞)」建設要請に対し、オバマ政権が公式声明で却下したことが話題となった。その理由のひとつに挙げられたのが「一国が惑星を破壊するほどの威力を誇る兵器を持つのは望ましくない」というものだが、じつはアメリカは「デス・スター」に勝るとも劣らない恐るべき「SF兵器」の開発を着々と進めているという物騒なウワサがある。

そのひとつが、「Rods from God(神からの杖)」だ。長さ6mほどのタングステン製金属棒を宇宙空間に配備、時速1万km以上で地上に突き刺すというもので、地下施設をも破壊する破壊力。そのうえ全世界を射程距離におさめる恐ろしい兵器である。

2009年に「Rods from God」の特集記事を組んだ月刊『軍事研究』編集部の大久保義信氏によれば「アメリカでは現在、通常兵器による即時全地球攻撃計画、通称『CPGS構想』が進んでいます。地球全域を1時間以内で攻撃できる兵器を開発する計画で、数千発のタングステン子弾を宇宙空間からマッハ20で叩きつける『ヘルストーム(地獄の嵐)』なんていう構想もあります。すでに実用化に向けて動き出している兵器としては、地上から金属棒を宇宙空間に打ち上げ、マッハ20程度の超高速でターゲットに突入させる『ファルコン』が挙げられます」とのことだ。

しかし、そもそも宇宙空間に兵器を配備することは、国際宇宙平和条約によって禁止されている。ファルコンはともかく「Rods from God」は明らかに条約に反していると思われるが、そのあたりをアメリカはどうとらえているのか?

「明らかな違反ではありますが、アメリカには『攻撃兵器ではない』『悪さをした人間に対する制裁だから問題ない』という理屈で押し切るかもしれません。なんせ“神からの”などという名称をつけるくらいですからね」(大久保氏)

他にも、アメリカにはSF映画やアニメを地で行くような兵器の開発計画がある。例えば、戦闘機「F35」の機体各所にとりつけられたカメラの映像を、パイロットがかぶるヘルメットの内側に映し出すシステムがすでに実験段階に入っている。カメラとヘルメットはセンサーで連動、パイロットが下を向けば機体の真下の状況が見えるため「死角」がなくなる。

また、同じく実験段階に入ったのが「ABL」。直訳すると空中発射レーザー砲台。つまり「レーザービーム」を発射する兵器だ。光に近い速度のビームを発射するため、照準が合えば百発百中で命中させることができるという。

明らかにやりすぎの感もあるアメリカのSF兵器。なぜこれほどまで新兵器の開発にやっきになっているのだろうか?

「核兵器は汚染物質などの二次被害が大きく、人道的な見地からも使用に踏み切ることが難しい。そのため、核兵器に代わる強力な兵器を開発しようとしているのだと思います。オバマ大統領は核兵器の縮小・廃絶を唱えていますが、一方で、核兵器に代わる新世代兵器の開発を進めることで世界一の武力を維持する目論見もあるのでしょう。現に、オバマ政権が発足して以降、CPGS構想をはじめとする次世代兵器開発は加速しています」(同)

脅威的な軍事力を備えつつあるアメリカ。これらの兵器が実際に使われないことを祈るばかりだ。
(榎並紀行/やじろべえ)

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