現代社会の注目ワードとは…

第4回 当事者が語る「LGBT」の現実とは?

2013.04.17 WED

現代社会の注目ワードとは…

「LGBT」の人が感じる生きづらさ



「普通に仕事をして、好きな人と一緒に暮らす。こんな当たり前のことでも、大きなハードルになってしまうのが、LGBT。仕事も、見た目も他の人たちといたって変わらないのに、同性でカップルになった途端、特別な目で見られてしまう…。LGBTを受け入れる法的な整備が追いついていないのも、大きな原因であるように感じます」

そう話してくれたのは、性同一性障害による様々な経験を経た当事者として福祉番組「ハートネットTV」でMCの1人をつとめる杉山文野さん。女性として生まれ、男性に移行した自身のエピソードをつづった著作の出版や各メディアに登場することで、大きな反響を受けたそう。
杉山文野さんはハートネットTV「OurVoices」のMCを務める。4月22日・23日には、杉山さんが性同一性障害とレズビアンの当事者を訪ね、語り合うシリーズが放送される。
「仕事をしたり、街で買い物をしたり、1人で生活を送ることには、僕自身はほぼ問題はありません。最近では、世間的にも偏見が薄れ、僕のように公表する人も増えています。ところが、同棲や結婚、子供など、ライフステージにおいて大切な場面に直面すると、途端にLGBTに対するハードルが上がる。たとえば普通に働いていて、経済的に問題がなくても、同性のカップルだと部屋を貸してもらいにくかったり、同性での結婚が認められていないことや、父親、母親として子どもの養子縁組ができないなど、法律や条例の規制も多くあります」

普通に社会生活を営めるのに、性別の部分だけに注目されて制限されてしまうのは、確かにつらいかも…。

「戸籍上家族になれないと、たとえば突然の病気のとき、親族でないという理由で同行できない、また、何十年も連れ添った相手だとしても遺産を残せない…といった問題があります。トランスジェンダーの人の中には、男性から女性へ、女性から男性へと、自分の性に合わせた体を手に入れるために、多くのお金や時間を費やしてしまうなど、“普通”を手に入れるスタート地点までに膨大な労力を費やし、その先の将来設計にまで、手が回らなくなってしまう人もいます」

LGBTの人も生きやすい社会にするには、どんなことが必要なのでしょうか?

「一般的な社会生活を営むうえで、LGBTが異性愛者の人と違う点はほとんどありません。LGBTであろうが、なかろうが、そのせいで、周りの人が影響を受けることはない。公言しようが、しまいが、関係ない。LGBTを特別視しない、そんな“普通”の認識がきちんと広がれば…と思っています」

LGBTをテーマにすることも多い「ハートネットTV」は、杉山文野さんも出演している福祉番組。LGBT当事者のリアルな姿と、そんな彼らが生きる社会の問題点を知ることができます。番組と連動したポータルサイト「ハートネット」では、全国から寄せられる多くのメッセージの閲覧も可能。LGBTについてもっと詳しく知りたい人は、こちらをチェックしてみては?

「ハートネットTV」(NHKEテレ) 月曜日から木曜日 8:00~8:29

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