作家・平野啓一郎に聞く

大学「在学中デビュー」の現実とは

2013.05.05 SUN


在学中に芥川賞を受賞した平野さん(左)。「大学時代は本当に暇だったんです」とは謙遜? 時間を有効活用できるのも才能なのかも 写真提供/時事通信社
若者が持つ無限の可能性を、「真っ白なキャンバス」にたとえたりするけれど、実際、大学在学中に早くも立派な“絵”を完成させてしまう人が各分野に散見される。たとえば、作家転向で話題となった水嶋ヒロの俳優デビューは慶應大学在学中だし、お笑い界では、サバンナ・高橋茂雄(立命館大学)などがデビューしている。そして音楽業界では、島根県立大学在学中に自らYouTubeにアップした映像がデビューのきっかけとなった、山根万理奈が記憶に新しい。

また、石原慎太郎・前都知事が一橋大学在学中に文壇デビューを飾ったように、文芸はとりわけ大学生活と相性がいい印象がある。京都大学在学中にデビューし、芥川賞を受賞した平野啓一郎や、今年直木賞を受賞した朝井リョウも、早稲田大学在学中のデビューだ。

「僕の場合、司法試験を目指すわけでもないのにいつも図書館にいたので、何をやってるのかわからない変なヤツと思われていました。デビューが決まり、周囲は妙に納得した様子でしたよ(笑)」

そう語るのは前出の平野啓一郎さん。学内の生協が作品を猛プッシュしてくれたおかげで、平野さんの快挙は瞬く間に学内中に知れ渡ったのだという。

「小説でも何でも、買い手(読者)の反応に直面する機会は多いほどいいので、デビューは早いに越したことはないと思います。ただ、僕は就職を経験しなかったので、会社員の描写に困った時期もありましたが」(平野さん)

それにしても、学業と文筆活動の両立は大変だったのでは?

「そうでもないですよ。あまり学業に熱心でなかったせいか、バイトも読書もたっぷりできました。時代的に、ネットやスマホに時間を取られることがなかったのも大きかったかもしれませんね」

結局、時間をどう使うかは自己責任。多忙を言い訳にする成功者はいないということを胸に留め、大いなるチャレンジを!
(友清 哲)


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