日本が見習うべきモデルケース!?

英国の「国家自転車戦略」とは

2013.06.20 THU


ロンドンのイースト・エンド地区の自転車専用レーン。歩道や裏道にも誘導されたりと、切れ目なく、安全・快適に自転車を走らせることができる 画像提供/dpa/PANA
自転車の利用者が増え、違反や事故が問題になっている。国は道交法を改正し、悪質な利用者に安全講習を受けさせるなど厳罰化を進めているが、安全に走れる環境づくりも大切。じつはそのモデルケースとなる例があるのだ。

「欧州には、自転車利用者の増加にともなって先進的な自転車環境をつくり上げた国がいくつもあります。有名なのはドイツやオランダなどですが、日本の参考になるのは、むしろ英国です」。こう話すのは『自転車が街を変える』(集英社新書)の著者、秋山岳志さん。

英国は1999年、首都・ロンドンの渋滞解消などを目的に「国家自転車戦略」を発表。以来、試行錯誤を重ねつつ、国家レベルで自転車政策にとり組んできたのだという。

「その政策はおもに3つあり、ひとつは車を減らすための渋滞税の導入。もうひとつは街のどこでも自転車が借りられるシェア・サイクル、そしてサイクル・スーパーハイウェイという自転車専用レーンの整備です。とくに専用レーンは、様々な交通情報がレーン上に表示されているうえ、車や歩行者が専用レーンは自転車が走る場所という認識を共有しているため、事故が減り、利用者も安全かつスムーズに走れるようになりました」

もっとも自転車専用レーンは他の欧州各国にもあり、ドイツには自転車専用道路まである。しかし、大切なのはインフラだけではない。

「専用道路のようなインフラを整備するには巨額のお金がかかるし、日本はドイツなどに比べて都市部の人口規模が大きく、道路も狭い。それよりも、英国のロンドンが限られたスペースを自転車と自動車と歩行者でシェアし、安全で走りやすい空間をつくり上げた点こそ、日本が見習うべきだと思います」

最近では、さいたま市がシェアサイクルを導入するなど、自治体レベルの動きも少しずつ広がりつつある。国や自治体が自転車をどう扱っていくか、重要なのはそのグランドデザインなのだ。
(岡林英二)


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