世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

住宅ローン金利は上がる? 下がる?

2013.06.20 THU

経済学ドリル


【問1】住宅ローンの固定金利はどれぐらいの水準?(2013年6月時点)

(A)1.30%
(B)1.60%
(C)1.90%
(注)大手銀行(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行)が提示する10年固定金利型(最優遇)

【問2】住宅ローンの変動金利はどれぐらいの水準?(2013年6月時点)

(A)0.875%
(B)0.975%
(C)1.075%
(注)大手銀行(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行)が提示する変動金利

【解説】最近まで住宅ローン金利は変動型・固定型とも過去最低水準にありましたが、2013年5月以降、固定型金利を引き上げる金融機関が相次いでいます。なぜ住宅ローンの固定型金利は上がったのでしょうか。ローンの固定型金利は国債の利回りに連動しているため、国債の利回りが上昇すると、固定型金利も上がりやすくなります。実は5月になって国債の利回りは急上昇しました。日本銀行は国債を大量購入する異次元金融緩和を実施していますが、その目的は長期金利を低めに誘導することにあります(注)。日銀が国債を大量購入すると、国債の需給がタイトになって国債価格が上昇(利回りは低下)するという仕組みです。にもかかわらず、日銀の意図に反して国債の利回りはなぜ上がったのでしょうか。理由のひとつに、アベノミクスで株高になったので、国債より高い運用益が見込める株式に投資マネーを振り向ける動きが強まり、国債の需要が低下して、国債価格が下落(利回りは上昇)したことがあります。

(注)長期金利が低下すると、お金が借りやすくなるため、経済活動が活発化する効果があります。

[正解] 問1:B 問2:A


門倉貴史 かどくら・たかし 慶應義塾大学経済学部卒業後、金融機関のシンクタンクで主任研究員などを歴任。現在、BRICs経済研究所代表。専門は日米経済、BRICs経済、地下経済など。著書に、『必ず誰かに話したくなる経済学』(PHP研究所)『ゼロ円ビジネスの罠』(光文社)など多数

住宅ローンを組むタイミングはいつがいい?



住宅ローンの固定型金利は、アベノミクスの成否にかかわらず、さらに上昇する可能性があります。アベノミクスの成果が上がらない場合、政府に対する失望から国債が売られ、国債価格が下落する(利回りは上昇)という流れが起こります。一方、アベノミクスが成功する場合、今度は景気回復期待、期待インフレ率の高まりから、長期金利が上昇する流れが起こります。一方、変動型金利は、日本銀行の政策金利(コール翌日物)に連動していますので、日本銀行がデフレ脱却まではゼロ金利を継続すると表明している以上、少なくとも2年間は低位安定を保つと予想されます。変動型金利が上昇するのはデフレ脱却が実現して、ゼロ金利を解除する時期となりますが、デフレ脱却は容易ではなく、2年経過した後もゼロ金利が維持され、結果、変動型金利の低位安定が続く可能性も十分にあり得ます。
ですから、これからローンを組んで住宅購入をしようと考えている方のうち、ローンの残高が少なく、早期にローンを完済できる自信のある人は(しばらく変動型金利は上がらないので)、変動型がお勧めです。また、ローンの残高が多くて、償還までの期間が長い場合、金利の低い今のタイミングで、固定型で住宅ローンを組むのが得策になります。
ただ、2014年4月に消費税増税が実施されることを踏まえると、ローン金利が上昇しても、それ以上に住宅価格が下がる可能性があり、急いでローンを組む必要はないかもしれません。前回97年4月の消費税アップ時を見ると、首都圏のマンション販売価格は95年から97年までは上昇を続けましたが、消費税アップ後の需要の落ち込みを受けて98年から02年まで下落が続きました。02年の平均販売価格は3897万円で駆け込み需要が発生する前の95年の価格(4172万円)よりもずっと低くなってしまったのです。

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