乙武洋匡の「自問多答」

[対談]乙武洋匡×家入一真(1)

2014.04.04 FRI

乙武洋匡の「自問多答」


家入一真「都知事選は、癖になるくらい楽しかった!」



先だって行われた東京都知事選挙において、当選こそ叶わなかったものの、最年少候補として大きなインパクトを残した家入一真氏。若者の声を政治に届けるために立ち上がった彼は、その体験を通して何を考え、学んだのか? その貴重な都知事選出馬体験を乙武洋匡が直撃した――

乙武: 家入さんって、大の人見知りですよね?

家入: そうですね…。“ネット弁慶”なところはあると思います。

乙武: それなのになぜ、大勢の人たちとかかわらなければならない政治活動に乗り出したのでしょう。まずは都知事選出馬のきっかけをお聞かせいただけますか。

家入: これ、本当にいろんな人に聞かれるんですけど、理由は1つではないんです。僕の実感としては、細かい要因がたくさん集まって出馬に至ったという感じで…。

乙武: 「1000RTされたら出馬する」というツイートも大いに話題になりました。

家入: あれは照れ隠しみたいなものです(笑)。実際、1000RTくらいはすぐにいくだろうと思っていましたし。僕はもともと、シェアハウス「リバ邸」の運営などで、行き場を失った若者たちの居場所作りに取り組んできましたが、官と民が力を合わせれば、もっとできることが広がるのではないかと考えていたんです。政治に興味があったというより“政治側から何ができるかを探りたかった”というのが大きいですね。

乙武: もともと政治の分野には興味があったわけですか?

家入: いえ、それがまったく。政治家の知り合いもいませんし。そういう意味では、若い世代のなかにも、僕なんかより都知事に適した人材は大勢いるはずなんです。でも結局のところ、僕らの声を代表して政治に届けてくれる、30~40代の若い候補は他に1人も現れませんでしたよね。だったら自分でやるしかないな、と。

乙武: 選挙戦を戦い終えた今、どんな感想をお持ちですか?

家入: 率直にいって、選挙はものすごく楽しかったです。これまでやってきたような、1つの会社を軌道にのせる達成感や充実感が、17日間の短い選挙期間にぎゅっと凝縮されていたような感覚で。

乙武: 選挙のノウハウだけでなく、これからの社会をアップデートしていくのに役立ちそうな発見、学びもたくさんあったでしょうね。

家入: そうですね。選挙事務所を開いた時、若い人たちを中心に350人くらい集まってくれたのですが、コミュニケーションの苦手な人や、普段は引きこもっているような人までもが「居ても立ってもいられなくて…」とボランティアに名乗り出てくれたんです。自分たちの声を聞いてほしいと思っている若者が、こんなに大勢いるんだなと痛感させられましたね。

乙武: まさに彼らにとっては、家入さんの存在が政治との接点だった。家入さんの奮闘を見て、政治は決して自分たちと無縁ではないと気付いた人も多かったのではないでしょうか。

(構成:友清 哲)


【今回の対談相手】
家入一真さん
1978年、福岡県生まれ。活動家。paperboy&co.をJASDAQ史上最年少で上場させたほか、クラウドファンディング「CAMPFIRE」、スマートEC「BASE」などの経営にも携わっている。

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