乙武洋匡の「自問多答」

[対談]乙武洋匡×家入一真(4)

2014.04.25 FRI

乙武洋匡の「自問多答」


「今後、あらためて政治家を目指さなかったとしても、サービスや事業を立ち上げるうえで、政治を意識することは間違いないと思います」(家入) 撮影=後藤 渉

乙武洋匡「これからも社会を良くするためのトライ&エラーを」



乙武: 都知事選での経験は、家入さんにとって、あらためて居場所のない若者の声を聞く、いい機会でもあったと思います。今後、そうした経験を踏まえて、どのような取り組みを行っていく予定ですか?

家入: 「居場所」とは何なのかということを、もう少し僕のなかでも詰めなければならないと思うのですが、僕がこれまで立ち上げたサービスや事業というのは、いつもすぐ身近にいる“困っている誰か”に向けて作ってきたものばかりなんです。たとえば今準備しているのは、大学生のボランティアを集めて、高齢者にスマホの使い方を教えようという活動です。これは、何か社会貢献的な活動をやりたいけど何をやっていいかわからない大学生に役割を与え、スマホを使えなくて不便している高齢者と世代を超えてつながるいい機会になると思っています。

乙武: なるほど、それは双方にプラスの効果がありそうですね。身近で困っている人がヒントだというのも、家入さんらしい。

家入: そういうことを思いついたら、すぐ動くようにしてきたつもりです。ただ、僕はツメの甘さや伝えきれてない部分が多くて、炎上してしまうこともあるんです(苦笑)。スマホのボランティアにしても、おじいちゃん、おばあちゃんから拒絶されるケースだって絶対にあると思いますし…。それでも実際に動いてみなければわからないことが、たくさんあるんですよ。

乙武: たしかに、トライ&エラーを繰り返すことは重要ですよね。

家入: 今後もそういった事業やサービスをいくつも立ち上げていくと思いますので、今回居場所を求めて僕の選挙事務所に集まってくれた人たちが、そのなかのどれかひとつにでも興味を持って、協力してくれたらいいなと思っています。

乙武: 家入さんの素晴らしいところは、誰か困っている人がいたら、その問題を解決するために自分なりのソリューションを提案し続けているところですよね。しかも、批判を恐れて動けずにいる人が多いなかで、どんなに失敗しても炎上して叩かれても動きを止めず、様々な仕組みやサービスを作り上げてきた。これは本当にすごいことだと思いますよ。

家入: うれしいですね(笑)。ありがとうございます。

乙武: だからこれに懲りずに、ぜひ今後も何らかのかたちで社会に働きかけてほしいと僕は思っているんです。実際問題として、若い世代以外にも困っている人は大勢いるはず。家入さんにはぜひ、そういう現場にどんどん出向いてもらって、他の人にはない新しい発想で解決策を提示していただきたいんです。

家入: 僕は今まで、ひとつの事業が軌道に乗ったら次の事業を立ち上げる、ということを繰り返してきたのですが、今回の選挙を通して、“もっといい社会を作りたい”という気持ちが非常に強くなりました。この先、政治家になるかどうかはわかりませんが、それでも政治や社会貢献を意識した活動を行っていくことは間違いないと思います。

乙武: 家入さんがこれまで手がけてきたビジネスだって、人の生き方に影響を与え、社会貢献につながったものが少なくないと思います。今後、社会をより良くしていくために本腰を入れた家入一真が、いったい何を生み出していくのか。楽しみにしています。

(構成:友清 哲)


【今回の対談相手】
家入一真さん
1978年、福岡県生まれ。活動家。paperboy&co.をJASDAQ史上最年少で上場させたほか、クラウドファンディング「CAMPFIRE」、スマートEC「BASE」などの経営にも携わっている。

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