国際社会が認めない“自称国家”も多数

「独立国家」になる条件とは

2014.05.15 THU


国連にはいろんな組織があるが、大きな力を持っているのが安全保障理事会。国の独立・編入の承認は常任理事国5カ国が握っている!? 画像提供/AP/アフロ
クリミア編入をめぐって欧米とロシアの対立が続いている。クリミアの住民投票で、ウクライナからの独立とロシア編入に9割以上の賛成があったというのがロシア側の大義名分だ。ところが、国連総会はこの住民投票を無効とする決議を採択。「なぜダメなの?」と疑問に感じた人も多いはず。国の独立や編入はどうしたら認められるものなのか。

「国の独立・編入には、住民の意向だけではなく、第三国の承認が必要です。国家であるかどうかは、外部から認められるかどうかということ。独立や他国に編入するには、最低でも国連加盟国の過半数の承認、特に発言力の強い国が認めるかどうかが重要です」。そう話すのは国際政治学者の六辻彰二氏。

じつは、国連には独立や他国への編入に関する明確な規定はないという。また、強制力のある国内法と違って、国際法はあくまで“約束事”。違反しても改善を強制するのは難しく、グレーなものともいわれる。

「クリミアのロシアへの編入についても、ロシアは合法だと主張し、米国は違法と言っています。国連の規定には解釈の余地がたくさんあり、実効性も弱いので、大国の思惑に左右されがち。ある地域の独立や編入の判断は、国連の常任理事国5カ国の力関係や利害で決まるものといえるかもしれません」

そもそも、住民の意向だけで独立や編入が決められるといろんな地域が独立し始めて収拾がつかなくなる。コソボや東ティモールのように独立が認められた国は例外的で、南オセチアや北キプロス・トルコ共和国など、承認する国が少ない“自称国家”も存在する。

「仮に承認されても、経済や通貨など、独立してやっていけるかという問題もある。今年9月には英国からの独立の是非を問う住民投票がスコットランドで行われますが、世論調査では反対派が上回る結果が出ています」

国の独立・編入問題とは、それだけ大変なことのようなのだ。
(真屋キヨシ/清談社)


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