乙武洋匡「これからの日本を考える」(3)

乙武洋匡さんの政界進出はあるの?

2014.09.19 FRI

乙武洋匡の「自問多答」


「新宿区長選への出馬はありません。しかし、記事を読んだ区民の皆さんが熱望してくださったのは本当にうれしかった」(乙武)

乙武洋匡「これからの日本を考える」(3)



――政治や社会にコミットした発言をよくされているせいか、選挙のたびに乙武さんの出馬が噂されます。先日も、今年11月に行われる新宿区長選への出馬が一部で報じられていましたが…。

乙武: これまで新宿区長を3期務められてきた中山弘子区長が、6月の議会で「4期目は出ません」と宣言されたんです。そこへ来て、たまたま僕が4月から「グリーンバード新宿」というボランティア団体を立ち上げ、地域活動を始めていたもので、そこに目をつけたメディアに「出馬への布石か」などと書かれてしまったんです。いわゆる“飛ばし記事”なんですが、その記事が出たせいで、問い合わせが殺到して大変だったんですよ。本当に迷惑な話でした。

――つまり、根も葉もないデマである、と。

乙武: はい、その予定はありません(笑)。でも、この手の報道にはもう慣れっこですね。16年前の『五体不満足』出版以来、これまで何度もそうした記事を書かれてきましたから。それこそ、まだ被選挙権のない年齢の頃から、そんな記事を書かれてきた。それくらい、きちんと確認しろよ、という話です。

――実際、政党などから声がかかることも?

乙武: ありがたいことに、そうしたお誘いをいただくこともあります。しかし、これまではすべてお断りをしてきました。僕自身、まだまだ勉強不足だと思っていますし、自分が政党の一員として活動する姿がどうしてもイメージできませんでした。また、政治家となれば家族も多大な迷惑を被ることになるでしょうから、なかなか前向きには考えられなかったんです。

――今後も政治の世界に飛び込むつもりはないのでしょうか?

乙武: これは十数年前からずっと同じお答えをしているのですが、現時点では政治家になるつもりはありません。しかし、将来のことは自分にもわかりません。僕には、どうしても実現したい社会があります。それを叶えるために、自分はどういう立場でどういう活動をしていくべきなのか。そのことを常に意識し、模索していきたい。その結果、「やっぱり政治家になるしかない」と思えば、そのときは立ち上がることがあるのかもしれません。あ、だからと言って、「乙武氏、出馬に含み」などと書かないでくださいよ(笑)。

――乙武さんの「実現したい社会」とは?

乙武: 多様性が認められる社会です。多様な学び方、多様な働き方、多様な家族のあり方、多様な性のあり方…日本をこうした多様性が認められる社会にするため、尽力していきたいと思っています。16年前の『五体不満足』以来、僕は一貫して「みんなちがって、みんないい」というメッセージを発信してきました。それが、皆さんとは大きく違う体を与えられた僕の使命だと思ってきたからです。今後は、そうしたイメージを伝えるだけでなく、どうすれば「みんなちがって、みんないい」社会を実現できるのか、具体的な方策について学んでいきたいと思っています。

(構成:友清 哲)

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