乙武洋匡「これからの日本を考える」(4)

乙武洋匡「傍観者から当事者へ」

2014.09.26 FRI

乙武洋匡の「自問多答」


乙武洋匡「これからの日本を考える」(4)



――この連載では約1年半にわたって様々な論客や社会活動家の皆さんと対談していただきましたが、振り返ってみていかがでしょうか?

乙武: 僕自身、ここ10年ほど教育について取り組んできましたが、子どもたちを取り巻く環境を改善しようとしては、学校教育だけでは限界があるというジレンマを感じていました。そうした思いから社会問題全般に関心を持つようになったものの、本などを読むだけでは、いまひとつ実感が持ちにくい。そこで、様々な分野で活躍されている方とお話しさせていただいたのですが、とても有意義な対談となりました。

――総勢19名の方々にご登場いただきましたが、お話を伺った皆さんに共通点のようなものはありましたか?

乙武: 皆さん、社会に対して傍観するのではなく、当事者意識を持って課題解決にあたっている点ですね。社会のなかで「これはおかしい」と感じることがあれば、まずは自分自身が動き出すといった姿勢に共通点を感じました。僕自身、人々が孤立しないための場作りとして、今年4月に「グリーンバード新宿」を立ち上げましたが、振り返ってみると、それにはこの対談の影響があるように思います。自分が感じる課題があるなら、まずは自分が動いてみようと。

――今年2月の都知事選に出馬した家入一真さんも同様のことをおっしゃっていましたね。「同世代で誰も手を挙げないから、ならば自分がやろう」と。

乙武: 家入さんが都知事選出馬を決めた時、まわりから「ああ、そっち側へ行くんだ」と言われたというエピソードが強く印象に残っています。政治は僕らの生活と密接に結びつくものであるはずなのに、多くの人が“そっち側”と切り離してしまっている。政治における“当事者”になるとは、何も立候補するだけではありません。投票に行くだけでなく、選挙後も政治家の発言や活動に目を向けたり、要望を伝えたりと、僕ら一人ひとりが“バッジをつけていない政治家”として政治に関わっていくことが重要です。

――あらためて、いまの若い世代に向けて、最も伝えたいことは何ですか?

乙武: 社会に対して傍観者にならず、当事者であってほしい、ということですね。皆さん、日々の生活や報道のなかで、疑問や憤りを感じていることってあると思うんです。それに対して、「誰かがやってくれるだろう」ではなく、「自分がやってみよう」と。もちろん、自分がゼロら立ち上げる必要はありません。その問題についてすでに動き出している人もいるでしょうから、まずはそうした活動に参加してみるなど、最初の一歩を踏み出してほしいんです。自分たち一人ひとりがこの社会を築いているのだという意識が、確実に社会を変えていくのだと信じています。

(構成:友清 哲)

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