マレーシア、シンガポール、イギリス…

世界各国の「今年の一文字」は?

2014.12.30 TUE


色紙に書き、展示するのは日本特有かもしれないが、欧米・アジア問わず世界各国で「今年の言葉」が選定される
日本漢字能力検定協会が毎年発表する、一年の世相を表す「今年の漢字」。2014年は消費税引き上げのインパクトが大きく「税」が選ばれた。実は「今年の漢字」に類する企画は日本だけではなく、世界各国で開催されている。そこで世界各国で発表されている「2014年の一文字」を確認しながら、各国では「2014年」がどんな年だったのかを見てみたい。

■台湾…「黒」
「台湾2014代表字大選」開催者が用意した60個の候補のなかから、約20%の投票数を集めて1位になったのが「黒」。台湾では今年、廃油や皮革製品の製造過程で排出された油脂を再利用した油が食用油として出回っていた事件が発生。問題になった油は「黒心(邪悪な心の意味)油」と呼ばれていた。ちなみに10位までは■(食偏に叟)、油、怒、食、仮、偽、混、怨、崩とマイナスイメージの文字ばかりが選定されている。

■中国・台湾…「転」
続いて、中国大陸部と台湾(併せて「両岸」と呼ばれる)のメディアが共同で開催する「2014年海峡両岸の年度の漢字選出」で選ばれたのは「転」。今年両岸に住む人々は大きな変化を目の当たりにし、新年に良い方に転じることが期待され、選出されたそうだ。

■シンガポール…「乱」
シンガポールで選ばれたのは「乱」。2011年から『聯合早報』が主催し、一年を代表する漢字1文字を読者投票で募集し、「新加坡年度■(さんずいに又)字」として発表している。“多発するテロ攻撃や隣国マレーシアで起きた航空機事件を受けて、不安に駆られる人々が多かったからではないか”と同紙は分析している。ちなみに2位には「■(左に「又」、右に「隹」/難しい、やりにくい、わかりにくいの意)、3位には「恐」が選ばれた。

■マレーシア…「航」
マレーシアで選ばれたのは「航」。一般公募では貪、馬、失、漲、難、航、苦、愁、税、迷の10個が挙がっていた。よく見ると馬・漲・税・貪を除く漢字は、今年起きたマレーシア航空の2つの悲惨な事故に関係している。3月にマレーシア航空370便がタイランド湾上空で消息を絶った事故、7月にウクライナ東部で同17便が墜落し、乗員乗客298人全員が死亡した事故…遺族や関係者の計り知れない悲しみを象徴する漢字が選ばれる結果になった。

続いて、「漢字」ではないが、欧米で発表された「今年の言葉」について。

■アメリカ…「Ebola」
世界で使われる英語の言葉を独自のアルゴリズムで分析するGlobal Language Monitor社が発表した流行語。いわずもがな「エボラ出血熱」のことで、アメリカ国内でも感染者が出るなど、下半期はエボラ関連のニュースが絶えなかったことが起因している。

■イギリス…「vape」
オックスフォード大学出版局 (Oxford University Press) の辞書部門が選んだのは「vape」(電子たばこ自体や吸い込む動作を指す)。2014年8月にOxfordDictionaries.comに追加された言葉で、使用頻度が2013年から倍増していることから選定に至ったという。昨今の電子たばこは煙を出さずに味・香りが付いた蒸気を吸って楽しむ嗜好品として展開。ただし、ニコチンが含まれるものもあることから、健康への悪影響を指摘する声もあるようだ。

マイナスな印象を受ける言葉が多く選ばれているのは、どうしても残念なニュースのほうが鮮烈に記憶に残るせいだろう。2015年は良い意味の漢字が選ばれる一年になることを期待したいものだ。
(池田園子)

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