個人からの物資提供は負担増につながる可能性も

都市部でも…熊本地震で想定されるボランティア7種

2016.05.03 TUE

今なお余震が続く熊本地方。避難生活の長期化が予想されるが、ボランティアとして現地に赴くだけでなく、支援の形は様々。地震などの自然災害をこうむった被災地を支援するには、一般的にどんな形があるのか。東日本大震災の時を参考にすべく、ダイバーシティ研究所代表理事で復興庁復興推進参与を務める田村太郎さんに話を伺い、私たちができる「ボランティア7種類」をまとめた。被災地だけでなく都市部や自宅でできることもあるので、内容を見て自分にできることがないか参考にしてもらいたい。

●私たちにできる「ボランティア 7種類」



物資仕分け・配送
物資仕分け・配送 イラスト/阿部伸二
■被災地でできること

〈物資仕分け・配送〉
各団体や個人から被災地に送られた物資を商品カテゴリや避難所、家庭のニーズに合わせて分配し、届けるボランティア。物資が無事被災者の手元に行き渡るには、物資を仕分け、届ける人の力も必要。今後も被災者が自立できる環境が整うまで、長期的に必要とされる活動だ。


避難所の設営・清掃
〈避難所の設営・清掃〉
すでに避難所となっている学校や公民館、公園のほか、新たな避難所の設営・清掃を行う。避難所には多くの人が退避しているため、1人当たりの空間が狭くプライバシーの確保も難しい。ストレスが溜まりやすい環境となっているだけに、「社会人の気配り」が必要不可欠なボランティア。


子供やお年寄りのケア
〈子供やお年寄りのケア〉
前向きな気持ちになれるように心のケアをするボランティア。特に子供やお年寄りなどは、長い緊張状態に対するストレスを溜め込みやすいため、話を聞いてくれる人や遊び相手を必要としている。同じ被災者同士の前だと弱音を吐けないことが多く、外から来た人に話すことで気持ちが楽になることもあるのだとか。


思い出の品探し
〈思い出の品探し〉
瓦礫の中に埋もれてしまった家族の写真や賞状などをきれいにし、持ち主に返す活動。生活が落ち着いてくると、ニーズが増えていくといわれている。被災者と接する仕事なので、直接コミュニケーションをとる支援を希望する人に向いている。


■被災地に行かなくても都市部でできること


事務支援スタッフ
〈事務支援スタッフ〉
被災地での活動を支援するために都市部に拠点をおいている団体の事務作業の手伝い。特別に求められるスキルはなく、ワード、エクセルが使いこなせればボランティア可能というところが多い。そのほかにも政府やNPO団体が公開している情報をまとめる業務や、説明会の運営の手伝いをすることもできる。


被災地商品オーナー
〈被災地商品オーナー〉
大きな被害を受けた農業や林業が産業の中心だった地域の、今後の産業再建に向けた活動資金を提供する支援活動。オーナーとなり送金することで、復興した際に物となって返ってくるという仕組み。現状どれだけ必要になるかは不明だが、今後の活動増加が想定される。


webで産業応援
〈webで産業応援〉
webを通じて、閲覧者に対して被災地の広報活動をするボランティア。自分のブログや管理サイトにバナーを貼ったり、SNSサイトを通じて被災地のイベントや商品などを紹介したりすることで、現地の状況や活動を広めることができる。口コミの力で被災地産業を応援。

以上7種類を紹介したが、まず思い起こすのは物資支援。しかし、今回の熊本地震においては避けてほしいものとして「個人からの物資の提供」を田村さんはあげる。

「個人からの物資は現地でも仕分けが難しく、自治体でも企業や団体からの一定の数量以上のモノしか受け付けていません。商店なども再開しており、無料のものが届き続けるのは好ましくありません」とのこと。気持ちがはやるあまり、現地の負担を増やしてしまうことのないようにしたい。

また、ゴールデンウィーク期間中、熊本市内の実家の片づけを手伝いに行った20代のビジネスマンによると、現地では、避難所の衛生環境の悪化が心配されているほか、震度6~7クラスの地震が続いたことで、多くの人が余震に対して不安感を持っているようだ。復旧作業を「進めたくても進められない」状態にあるため、現地の頑張りを一方的に応援するのではなく、「寄り添う」視点を持った言動をとることが、社会人の気配りにつながりそうだ。

最後に、ゴールデンウィークの過ごし方として、「自分の地域で災害が起こったらどんな問題が起きそうか、事前にどんな準備をしておけばいいのかということも考える時間にしてほしいです」とも田村さん。自分が災害に見舞われた時に適切な行動がとれるよう、住んでいる地域の避難所を確認しておくなど、改めて身の回りを見直す期間にしても損はないはずだ。

(篠田悠介/R25編集部)

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