ネット編集者・中川淳一郎氏が語る“対策と考え方”

真面目な人がターゲット?深刻化する「ネットいじめ」

2016.05.22 SUN

噂のネット事件簿


多くの若者に、SNSはなくてはならないものとなっているが…
ウォール・ストリート・ジャーナルで5月18日、「大人のネットいじめ、どう対処するべきか」という記事が公開され、関心を呼んでいる。

米ピュー・リサーチ・センターが「オンライン・ハラスメント」について2014年に行った調査によると、成人ネットユーザーの40%がネット上で嫌がらせを受けたことがあると回答。記事では、ネットいじめに遭った場合の対応として「一切反応しないほうがいい」という専門家の意見を紹介し、反応しないでいるのがつらい場合は、自分の思いをノートなどに吐き出す、友達などに楽しい手紙を書いて気持ちを切り替えるなどをすることを勧めている。また、嫌がらせがSNS上で起こった場合は、サイトの運営者に報告するなどの対策を紹介している。

つまりは「ネットいじめをスルーせよ」ということで、Twitterには、

「パソコン通信の時代からの知恵」
「しょーもない人は相手にしないのが1番ということか`‐ω‐´)ふむ」
「私も無視が一番だと思う!!それでも酷い時は、フォローや友達解除をするのが良いね」

と納得する声があがっている。

「大人のネットいじめ」は日本でもたびたび問題視されており、2014年に法務省が発表したところによると、957件も発生している。もちろんこれは法務局に相談を持ちかけられた事案だけ。実際にはこの数十倍以上あってもおかしくないのは想像にかたくない。

『ウェブはバカと暇人のもの』『ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」』などの著書があるネット編集者・中川淳一郎氏は、「ネットいじめ」をする人たちについて、

「いじめをする人は、単なる憂さ晴らしや、茶化したい場合が多いのではないでしょうか。本人もそこまでマジメに考えてはいない。あとは、ネットにはりついている『ネット依存症』の人だったりもする。ただ、最近タチが悪いのは、スマホがあるだけに、そのいじめに反応してしまうと永遠にやり取りが続いてしまうこと」

と分析しつつ、スマホがネットいじめを増長させてしまう可能性を示唆。また、真面目に反応してしまう人は、“いじめを受けやすい”とも語り、いじめる側は本気ではない一方、いじめを受けた人は深刻に捉えてしまうと指摘する。

「この『捉え方の非対称性』があるからこそ、(いじめを受けた人は)誹謗中傷をしないよう訴えたり、真意を改めて説明したりしてしまい、さらなる揚げ足取りをされてしまう」(中川氏)

では、いじめを受けた場合はどうすればいいのか?

「やはり『スルーせよ』が一番正しい対応です。というか、私はネットなんて宣伝材料を持たない一般人にとっては単なる情報収集・買い物・予約ツールでいいとしか思っていません。特に儲かるわけでもなく、どうでもいい人間との接点を作ってしまうだけなので、究極的には全SNSをやめてしまうという選択肢をとってもいいでしょう。そんなに困ることはないですよ」(同)

スマホやSNSの普及とともに「依存」が指摘されることも多い現代。“なくてもそんなに困らないもの”と捉え直すことができれば、ネットいじめに悩まされることも少なくなるかもしれない。
(花賀 太)

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