“安倍首相の側近”が見直しを求めると示唆

新大臣が言及 「新卒一括採用」は本当になくせるか?

2016.08.09 TUE

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“新卒の就職活動”というシステムは変化していく?
8月3日に行われた内閣改造で初入閣した世耕弘成(せこうひろしげ)経済産業大臣が、大手企業で定着している新卒一括採用について「見直すよう促す」との見解を発表し、議論となっている。

自民党に所属する世耕氏は、祖父も伯父も閣僚経験者という政治家一族に生まれ育ち、妻(林久美子)も民進党所属の前参議院議員。そんな世耕氏が初入閣直後の8月4日、インタビューで新卒一括採用に言及した。NHKニュースによれば、世耕氏は新卒一括採用について、

「実施する企業は多いが、かなりの比率で新入社員が辞めている。採用される学生も採用する企業も、このやり方は負担だと思っている」
「今の慣行は、働く人にとっても企業にとっても感覚が合わない状況だ」

と、批判。見直しを促していくという。

これまでも新卒一括採用には、「一度失敗したらおしまい」などと、1回勝負でやり直しがきかないといった批判は多く存在したが、経産大臣がこれを問題視したことで、改めて議論となっている。ツイッターには、

「いいね!もっと自由にやろう。その方が絶対双方得」
「これは本当にそうすべき。今や企業にも大学にも学生当事者にもいいことは1つもない」
「いいねぇ、賛成。新卒一括がなくなればもう少しのびのび学生も有意義なことをのびのびできるのではないか」

と、賛同の声が登場。世耕氏の発言は著名人からも注目されており、脳科学者の茂木健一郎氏はブログで、

「企業への就業の機会を一律に制限する新卒一括採用のあり方は、そもそも、雇用の機会均等の精神から見て、違法、ないしは違法の疑いが濃厚」
「採用活動によって学生たちの勉強の機会を奪うとともに、企業側にとっても、一時期に大量の志願者が殺到することで、質の高い選考ができない」

と、新卒一括採用のデメリットを指摘し、世耕大臣の意向を支持している。しかし一方では、

「もし実現すれば、更に日本の新卒市場を混乱に陥れるだけの愚策」
「新卒一括採用を廃止というのは、企業にとってより有利。格差の固定にもなりうるから要注意と考えている」
「新卒一括採用を廃止してしまうと、多くの学生さんにとっては入社するためのハードルが高まったり、就職活動が長期化したりする懸念もある...」

など、慎重な見方を示す意見も少なくない。

どのように実現するのか言明していないものの、世耕氏は、「一億総活躍社会」を掲げる安倍首相のもとで、第二次安倍内閣発足以来、内閣官房副長官を務めてきた“安倍首相の側近中の側近”。これまではなかなか実現することが難しかった「新卒一括採用の見直し」が、安倍―世耕ラインで一気に進展する可能性も十分にありそうだ。
(金子則男)

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