出生率の予測ミスで不安は高まるばかり

未納騒ぎしか覚えてない年金問題、結局どうなったの?

2004.07.08 THU

9人の閣僚だけでなく、未納問題の急先鋒だった民主党の菅直人元代表まで年金未納といったドタバタ劇のなかで可決してしまった新・年金法。あれこれと言われているが、結局、いまのところハッキリしているのは、今年の10月からは厚生年金の、来年の4月からは国民年金の保険料が毎年アップするということだ。厚生年金についていえば、この引き上げは2017年まで続き、およそ5%もアップすることになる。

では今後、年金制度は変わる可能性はあるのか。おそらく現在の与党が続くかぎり、大きな見直しは期待できなさそうだ。だって、「100年を見通した持続する年金制度ができた」ってご満悦なんだから。でもすでにこの「100年の計」に大きな計算ミスが起こってしまった。そう、出生率の誤算だ。新・年金法の法案づくりにとって、出生率予測はその根幹に当たる大事なシミュレーション。厚生労働省は、2007年の1.30台で底を打ち、2050年には1.39まで回復するという見通しだったが、昨年の実績は1.29と、予測の最低値をあっさり割ってしまったわけだ。

するとどうなるか。今回の新・年金法に沿えば、答えは三つしかない。政府のキラーフレーズとなっている「現役世代の手取り年収の50%維持」という受給額を下げるか、受給年齢を上げるか、あるいは、保険料をさらにアップさせるかだ。

いずれにしても、今回の出生率低下によって、ぼくらの老後の不安は高まるばかり。さらに、厚生年金の場合、個人だけの問題じゃない。なぜなら、厚生年金は会社と社員が折半して払っているもので、保険料のアップは会社の経営にも重くのしかかってくるからだ。じゃあぼくらにできることは何か。よりマシな年金制度をつくってくれそうな政党を選ぶことももちろんだが、見通しの暗い将来だけに「自分の老後は自分で守る」という意識をもったほうがよさそうだ。ええ、「自己責任」ってやつです。

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