知りたいのは「達成率」なのに…

苦戦した自民党の政権公約「着手率93.07%」の謎を解く

2004.07.22 THU

参院選の期間中、自民党の公式ホームページやマニフェストをのぞいてみると、「着手率 93.07%」という数字が目に入った。説明を読むと、昨年の衆院選で自民党が約束した政権公約の「着手率」のことらしい。

しかし、93.07とはまた中途半端な数字。公式サイトには、公約項目、内容、具体的措置は明記されているが、着手の是非についてはハッキリと書かれていない。いったいどうやって算出したのだろうか。気になったので自民党に問い合わせてみたところ、「政権公約の項目は全部で130項目あり、そのうちの121項目が具体的に動き出しています。121を130で割るとその数字が出るわけです」という説明。たしかに電卓で割り算をすると、93.076…。だったら、そう書いておいてほしい。

こうなると気になるのは未着手の項目だが、同党によれば「公務員の天下り制限、独禁法の改正案の提出、裁判外紛争の処理制度などはまだですね」とのこと。

ふむふむ。数字の謎も解けたし、未着手の公約もわかった。だが、どうも釈然としない。それはやっぱり「着手率」というモノサシの胡散臭さによるところが大きいのだ。だって学校の宿題でも、机に向かえば「着手」でしょ。手をつけるのと成果を出すのとはまったく別問題のはずだ。

では実際のところ、小泉内閣の成果はいかほどのものか。たとえば、小泉首相のキラー公約だった郵政事業と道路公団の民営化はどうだろう。そもそも民営化は、民間の自由な参入と競争を通じて、サービス向上を図るためのものだが、現状では郵便事業に新規参入の見込みなし。道路公団事業の民営化も、法案成立こそしたものの、肝心の不採算の道路建設の歯止めについては、結論を得ないままだ。他にも、30兆円以下を約束した国債発行は、昨年36兆円を突破。それって公約違反では? こう見ると、「着手率」という言葉、「達成率」で勝負できない苦肉の策だったのかも…。参院選で苦戦したのもうなずける。

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