続出する企業不祥事への切り札?

内部告発を促すってホント?「公益通報者保護法」の中身

2004.07.22 THU

いろんな場所で炎上したりタイヤが外れたりするクルマ。鳥インフルエンザ感染を隠ぺいした養鶏場でモノとして処理されるニワトリ。もうちょっと前だと、牛肉偽装で閉鎖される工場。誰もがニュース映像として記憶しているだろうこれらの鮮烈な光景に共通するのは、内部告発者の存在だ。

自分が働いてる職場で、何か『悪いコト』が行われてる時、それを外部に公表する。そのことで、通報者が解雇などの不利益を受けないよう保護するための法律が、公益通報者保護法のはずだった。

しかし、今回成立した法律では、保護対象となる告発関連法令は、食品衛生法や刑法などたったの7つ。企業の談合や政治資金規制法、公職選挙法などは対象外となっている。また、解雇・減給・降格・自宅待機命令など通報者への不当な処分は明確に禁止されたものの、マスコミや消費者団体など外部へ通報するための条件を、細かく限定。証拠隠滅の恐れがある場合や、社内に通報しても放置された場合などとしている。さらに、当初「法令違反が生じる恐れがある」場合も保護対象だったはずが「法令違反が生じ、またはまさに生じようとしている」場合に変更されている。

日本弁護士連合会は「公益通報者保護制度自体は必要」としながら、今回の法律を「逆に通報を萎縮させることになり『公益通報制限法』として機能するおそれが大きい」と公式にコメント、この法律の不備を指摘している。

しかし、不備はあるにしろ、少なくとも企業倫理の向上には役立つのではないかという意見もある。企業に対して、不祥事を未然に防ぐためのいわば抑止力として機能するということだ。企業にもそれぞれ性格やクセを持つ人格のようなものがあり、だからこそ、罪を犯すこともある。肝心なのは、その過ちをいかに素早く認め、修正し、その後にフィードバックして成長していくかなのだが…。

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