改革案を審議中らしいけど…

郵政事業が民営化されるといったい何がどう変わるの?

2004.08.19 THU

小泉首相が叫ぶ「改革の本丸」、郵政民営化をめぐる審議がやっと始まった。政府の経済財政諮問会議が今月中にも民営化の最終報告案をまとめるというのである。

ところで改革はいいけど、民営化って何のためにするのか。なぜいま民営化し、その結果どうなるのか。そのあたりがどうもよくわからない。実際、毎日新聞も社説でこう疑問を投げかけている。〈2度の国政選挙を経たにもかかわらず、「民営化とはどういうことか」などで、国民的な合意形成…、包括的な説明がなされていない〉。

まあ察するところ、民営化の意義も全体像もこれから決めるというトホホな状況らしいのだが、民営化のポイントはすでにはっきりしている。それは350兆円という郵便貯金・簡易保険の資金を民間に導入し、経済の活性化をはかるということだ。

ある経済ジャーナリストが解説する。
「郵便局のコンビニ化ばかりが話題になっていますが、本質的に今回の改革は、郵貯・簡保を廃止して資金を市場に流し、新たな金融システムをつくるという『公的金融改革』なんです。というのも、郵貯・簡保の資金は財政投融資を通じて実質破たん状態の特殊法人に流れており、それを税金で補てんしているという状況があるから。郵貯の利率がいいのは利子を税金で払う仕組みがあるからですが、特殊法人に対しても税金で利率の上乗せをしているんです」

ちなみに、みずほ銀行は総資産140兆円以上を誇る世界最大の銀行だが、郵貯はそれより100兆円も資産が多い。その莫大な資金が民間ではなく特殊法人に流れ、しかも焦げついているとしたら、不景気の理由もよくわかるではないか。もっとも、郵政改革がちゃんと行われるかどうかは怪しい。小泉首相は郵政民営化を、9月に予定される内閣改造・党役員人事の「踏み絵」にすることを公言しており、これをみても、民営化が「首相対抵抗勢力」という支持率アップの再現に利用されていることはミエミエだからだ。

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