人名用漢字、見直しはいいけれど…

糞、屍、呪、癌、姦、淫、怨、痔…ホントにそんな字入れちゃうの?

2004.08.26 THU

寿限無寿限無五劫の(中略)ポンポコピーの長久命の長助、というのはご存じ落語『寿限無』に出てくる名前。人名に使える漢字を増やす目的で、法務省の法制審議会の人名用漢字部会で審議が行われていて、まもなく法相に答申が行われようとしている。

この部会、千代田区長兼全国連合戸籍事務協議会長だの国立国語研究所長だの日本新聞協会用語専門委員だの東京外国語大学名誉教授だの俳人だの、そうそうたる方々が名を連ねてる。役人側からも、よく国会の様々な委員会などに政府参考人として呼ばれてる法務省民事局長とか参加。なのに中間報告的な見直し案の中に「誰も使わないって」的な漢字がけっこう入ってた。

「選定基準は、現在人名用漢字に含まれていないJIS第1水準の漢字計771字から、基本的に漢字出現頻度数調査(平成12年文化庁作成)に現れた出版物上の出現頻度数に基づき、上位521字を常用平易と認め、同じくJIS第2水準以下の漢字から、上記出現頻度数・追加の要望の有無・程度などを総合的に考慮、57字を選んだ」(法務省)とのこと。つまり、使用頻度こそ常用・非常用を判断する基準で、漢字そのものの意味性に踏み込むと、そこから先は『解釈』の問題になってしまうため、あえてシンプルな基準で選んだということ。たとえば「死」。子供に「不死鳥」と名付けたいという親がいても「死」の文字を役所が受理してくれなかったら、その名前は付けられなくなってしまう。部会の詳細な議事録を入手して読んでみたら、みなさんものすごい真剣に討論して、追加案を練り上げてた。えらい入念な仕事してます。

見直し案への意見募集でも「削除要望が多い字にも、人名として使えるようにしてほしいという声が強いものもある」という。なんと人々の名前への情熱は、いつの世も不変なものなのだなあ(詠嘆)。人名用漢字部会の国民からの意見を反映した答申は9月中に行われ、年内にはそれを反映した改正が実施される予定だ。

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