日本が年間2400億円も払っている

在日米軍のための「思いやり予算」って何?

2004.09.22 WED

日本政府は8月末、年間30億円以上の思いやり予算の削減を米政府に要請したという。ところで、「思いやり予算」って、何のお金?

沖縄や厚木などに駐留している在日米軍の施設の光熱費や整備費、米軍で働く日本人の給与などは、実は日本が負担している。「思いやり予算」とは、その負担額のこと。

では、なぜ日本が在日米軍の駐留費を負担することになったのだろうか?

在日米軍に関わる事柄を定めた協定としてはまず、1960年に締結された「日米地位協定」がある。この地位協定では、日本側の負担は基地用地の賃貸料などに限られていて、施設の維持費や人件費は米側が支払っていた。ところが、70年代に入り、ベトナム戦争やドル安・円高の影響で財政状況の行き詰まりを見た米政府は、「在日米軍の経費をもう少し負担してくれないか」と日本政府に申し入れた。これに対し、当時の防衛庁長官だった金丸信は、「思いやりの立場で、できる限りの努力をしたい」と回答。そして1978年に「特別協定」を締結、在日米軍で働く日本人の給与の一部を日本側が負担することになった――これが「思いやり予算」誕生のいきさつである。

その後、「軍事的支援の代わりに資金援助を」との米政府の要請で、思いやり予算の項目も額も膨らみ、日本人勤務者の給与の全額、米軍施設の光熱水費や建設費なども日本が負担することになり現在に至る。04年度の地位協定分の負担額は1820億円、思いやり予算は2441億円にのぼる。

特別協定は5年ごとに改定される。前回00年の改定では、年間約30億円の思いやり予算が削減された。今回のさらなる削減要請の背景には、同時多発テロ以降のこれまでにない積極的な自衛隊派遣と引きかえに、資金的支援の減額を訴えやすい、という日本側の読みがある。自衛隊を出すか、お金を出すか――。思いやり予算が削減されるのはいいが、その代わりに自衛隊の活動がさらに危険な域まで及ぶことになるなら考えものだ。対米関係は難しい。

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