どちらが勝っても「苦しい選択」は続きそうだが…

新アメリカ大統領によって日本の行方はどう変わる?

2004.11.05 FRI

本号配布の時期には雌雄が決しているであろうアメリカ大統領選挙。本欄執筆時にはブッシュ氏とケリー氏の支持率はほぼ拮抗。フタをあけるまでわからない勝負となりそうだが、新アメリカ大統領が日本に与える影響にはどのようなものが予想されるだろうか。

まずは両氏の経済政策に注目しよう。きわめて簡単にいうと、ブッシュ氏は大企業寄りのビジネス重視、ケリー氏は反大企業の労働者重視。これは共和党、民主党それぞれのカラーでもある。ブッシュ氏は「同盟国間で自由に貿易して一緒に経済を活性化させましょう」という政策なのに対し、ケリー氏は「通商協定を見直して、日本などの不公正貿易や不当な為替操作を圧力をかけて正します。労働者保護、雇用創出のために、日本の自動車産業などへの参入を拡大します」と公約している。

つまり、ブッシュ氏再選なら大した変化はないが、ケリー政権誕生なら日本経済はアメリカによる圧力の下に困窮するというシナリオ。折しも04年度の米国の財政赤字は過去最大。そのシナリオが過激に書き直されていく可能性も否めない。

次に、外交・安全保障政策だが、ケリー氏は「大統領就任1年以内にイラク駐留米軍の撤退を開始し、4年以内に完全撤退させる」と公約している。この発言だけを聞けば、ブッシュ陣営に追随してイラクへ自衛隊を派遣してきた日本にとって、ケリー政権誕生を望みたくなるところなのだが、しかし、ケリー氏は同時に「同盟強化策」を提唱している。つまり、「アメリカは単独でもあくまで戦う」というスタンスのブッシュ氏に対して、ケリー氏は「日本などの同盟国と一緒に戦う」というのである。

こうしてみると、経済、外交ともに、ケリー氏の政策は日本に苦しい選択を迫るわけだが、「苦しい選択」はこれまでの日米関係にも付き物だった。米大統領が誰にせよ、日本に必要なものは確固たる国家像なのだ、というところだろうか。

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