関連本も続々と出版

近ごろ再注目されている田中角栄的政治手法とは?

2004.11.11 THU

最近、田中角栄の本をやたらと目にする。元愛人や実子が回想本を続けざまに出し、評論家の立花隆は有名な「田中角栄研究 その金脈と人脈」から30年経ったのを機に新たな角栄レポートを発表。さらにその人心掌握術を分析した本まで登場するというように。しかし、いま田中角栄が語られる理由があるとすれば、それは角栄がつくった自民党の最大派閥が不正献金事件で崩壊寸前となり、自民党そのものが「政治とカネ」で揺れているからではないのか。新聞各紙のいう「田中派型政治の終わり」というやつだ。

すると田中角栄の政治手法とはどういうものか。簡単にいえば、巨額の財政赤字をはじめ、官僚腐敗、利権まみれの政・官・業の癒着構造は、そのほとんどが田中角栄によってつくられたということだ。雪深い新潟の貧しい境遇から身を起こして首相まで上り詰めた角栄の頭には、つねに日本中の山を切り崩し、道路を造り、海を埋め立てて国土を造成するという「国土開発」しかなかったといわれる。実際、角栄は建設族のドンとして旧建設省の行うすべての政策に深く関わり、道路や橋、ダムをバンバン造らせた。高度経済成長の時代と歩調を合わせ、政治家や官僚、建設業者、地元民のすべてが潤うように…。

でも、その結果はどうなったか? たとえば土地ブームはインフレを招いたすえにバブル崩壊で不良債権化し、地方は地方で公共事業依存体質にどっぷりと浸かったまま。なかでも最大の“負の遺産”が日本道路公団に代表される「特殊法人」だ。角栄が議員立法で成立させた法案は30件以上に上ったが、実はその多くが国土開発とそれに関連した特殊法人。彼は役人のために数えきれないほど意味のない特殊法人や公団をつくり、そこに大蔵省や建設省OBを次々に天下りさせたのだ。小泉改革がなぜ始まり、なぜ立ち往生し、なぜ国の借金が700兆円にも膨れ上がってしまったのか。その理由も田中角栄を知ることでみえてくるのかもしれない。

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