不調に終わった日朝実務者会議

今後の北朝鮮政策のゆくえはどうなる?

2004.12.02 THU

安否不明者10人の生存情報について、大きな収穫はないままで終わった日朝実務者協議。現在は、今年5月の訪朝時に小泉首相が約束した25万トンの食糧援助のうち、未実施分の12.5万トンをめぐる議論が続いている。

11月の党首会談では、北朝鮮からの誠意ある回答が得られないことを理由に、岡田克也民主党代表は援助凍結を主張したのに対し、小泉首相は拉致問題とは切り離して、食糧援助を続ける考えを述べた。しかし、自民党の安倍晋三幹事長代理は経済制裁の必要性を主張するなど、政府内でも見解は一致していない。この食糧支援ひとつをとっても、北朝鮮政策は難しい段階に来ていることがわかるだろう。

そもそも現在の日朝交渉には二つの立場が存在する。

一つは、「強硬派」「圧力派」と呼ばれるもので、先の安倍氏をはじめ、中山恭子元内閣官房参与、斎木昭隆アジア大洋州局審議官などがその代表的存在だ。彼らは、北朝鮮の理不尽な要求を退け、拉致問題の解決なくして国交正常化の実現はない、という立場をとる。三人は、拉致被害者、拉致家族からの信頼も厚い。

もう一方は、「対話派」「宥和派」の人たち。内閣改造で首相補佐官に任命された自民党の山崎拓前副総裁と川口順子前外相、さらに外務省の田中均外務審議官がその代表だ。こちらは、拉致問題を軽視はしないが、圧力よりも対話によって国交正常化への道を切り開きたいという考え。

拉致問題の前進には、それまでの「弱腰外交」を一変させた強硬派の貢献が大きかったことはたしかだ。しかし、中山氏が内閣官房参与を辞任し、山崎拓前副総裁と川口順子前外相の二人が首相補佐官となったことで、小泉首相が対話政策へとシフトしていることを指摘する見方も出ている。

もちろん現実の外交では、小泉首相がいうように、対話と圧力どちらも必要だ。核問題も含めて課題は山積みだが、ここは首相の舵取りに期待したい。

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