「人生いろいろ、会社もいろいろ」

小泉首相の「迷答弁」から2004年の政局を振り返る

2004.12.22 WED

この季節、忘年会や仕事納めなどで誰もが疲れてヘトヘトになるものだが、ひょっとしたら、いま日本で一番疲れているのはこの人、小泉首相ではないだろうか。いや総理大臣だから疲れるのは当然だが、今年の発言を振り返ってみると、どうみても小泉サンがヘロヘロになっているとしか思えないのだ。

それをはっきり物語っているのが国会質問における「小泉答弁」で、たとえば年金問題で揺れた6月の通常国会。初当選前後に勤務実態がない不動産会社社員として厚生年金に加入していた問題を追及された時の、あの“迷言”はまだ記憶に新しい。『人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ』――。しかも小泉首相は何を思ったのか、この社長を『恩人』と言いながらも、まだ健在であることを知らずに『墓参りしたい』と答弁してしまうお粗末さだった。

さらに「政治とカネ」が焦点だった10月の衆院予算委では、旧橋本派のヤミ献金疑惑で責任を問われて『調査して発表する』とその場の思いつきで答弁、自民党幹部を真っ青にし、自分の政治資金流用疑惑でも答弁を一転させたあげく、「答弁を変えた」との批判に『全然変わってない』『どこが変わったのかわからない』と得意の開き直り。

そして極めつけだったのが、なんといっても11月の民主党岡田代表との党首討論だ。非戦闘地域の定義を問われた小泉首相は、『自衛隊が活動している地域が非戦闘地域だ』と何度も繰り返して全国民をアゼンとさせたばかりか、その後記者団に『適切ないい答弁だった』とまで語ったのである。

もともとその率直かつ簡潔な物言いで人気となった小泉首相だが、これでは率直とか簡潔というより、投げやりで説明不足、いや悪いジョークのようでもある。思えばこの一年、重大な問題のたびに国民やメディアは説明を求め、それに小泉首相が詭弁で答えるという繰り返しだった。郵政民営化に在日米軍再編、三位一体改革…。さらに大きな政治的課題が控える来年、この構図は解消されるのだろうか。

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