埼玉県志木市は6勝24敗

地方自治体が必至に挑む構造改革特区のカベとは?

2005.01.13 THU

「構造改革特区」への関心がようやく高まってきたらしい。政府は2月に特区の第6次募集(昨年11月17日締め切り)の採否を決定するが、この募集では地方自治体や民間企業から286件もの提案があり、なかにはなんと中学生の応募もあったという。この札幌市の中学生のアイデアは「サマータイム特区」で、冬場の授業時間を減らして夏場に回せば通学路の危険が減るというものだが、注目はむしろ長野県の「忠犬特区」。昨年、各地でクマ被害が相次いだのは記憶に新しいが、長野県ではクマを民家に近づけないために、訓練した犬に限って「放し飼い規制」を緩和するよう求めたのである。

もっとも、構造改革特区はなにも話題性や面白さを競うものではない。これまでの地域振興といえば、税金を軽くしたり補助金を増やしたりするものだったが、今回の特区はお金を使わず地域限定で規制を緩和する制度。それもこれも国の財政状態が悪すぎるからで、このやり方なら財政を悪化させずに地域の活性化や新しい産業を生み出すことができるというわけだ。

そして最大のポイントは、今回の特区が全国展開の前の実験、いわばモニターにあることだ。もともと日本経済再生には地方の活性化が不可欠で、そのため従来の補助金制度から規制をなくすシステムに改革しているのだが、一挙に規制撤廃すると大変なことになる、と中央省庁が心配しているのである。まあはっきりいって、できる限り規制をなくしたくないのが彼らの本音。そこで地域限定でまず実験し、特区の認定にもイチイチもったいつけているのだ。

しかし、そんな中央省庁の姿勢に真っ向から挑戦している自治体もある。埼玉県志木市がそれで、同市は構造改革特区が始まって以来、2年間で実に30件もの特区を提案している常連中の常連。結果はいまのところ「6勝24敗」だが、現在も「国の対応はおかしい」と旧弊を打ち破るべく挑み続けているのだ。まさに地方活性化のための見本というべきだろう。

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