対中国ODAの廃止論も出ているが…

日本のODA(政府開発援助)どこが問題なの?

2005.01.13 THU

ODA(政府開発援助)とは、開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上のために、先進国が資金・技術を提供すること。日本は1991年以降10年間連続で援助額世界1位、01年からは米国に次いで2位という「ODA優等生」だ。54年の開始以来、50年間で185の国と地域に総額約24兆円を使って学校、病院、ダムや橋をつくるなどの援助をしてきた。が、このところODAの見直しを求める声は高まるばかりだ。

年間約1兆円という莫大なODA予算の出所は税金や年金、郵貯など。巨額の財政赤字を抱える身で外国を助けている場合ではない、というのが見直し論の根拠その1。

根拠その2は「本当に途上国の役に立っているのか」という根本的疑問だ。例えば、日本のODA資金でタイに汚水処理場を建設する予定が住民の猛反対で中止されたり、フィリピンの国鉄改修のために提供した50億円がほかの用途に使われていたり、ダム建設によって土地を追われたインドネシア人が訴訟を起こしたりしているのだ。

さらに「鈴木宗男疑惑」で注目されたような不正入札や贈賄事件など、ODAに絡む金のトラブルが世界中で起きている。

中国へのODAについては見直しどころか「廃止論」にまで発展している。中国の経済力が国内購買力換算で日本の2倍であること、中国が被援助国ながら他国を援助して外交を有利に運んだり、軍備を拡張していること、日本の援助が中国国民に知られていないことなどがその背景にある。先月末の日中首脳会談で、中国の温家宝首相が日本のODAを「必ずしも必要ではない」と述べたことが火に油を注ぐ形となった。

日本のODA予算は98年以降減額が続き、04年度当初予算はピーク時より3割減少。一方、欧米諸国ではテロ撲滅のための貧困解消を目標に、ODA予算は増額の傾向にある。軍事力を行使できない日本にとって、ODAは外交の要であり、国際貢献の柱でもある。「経済大国」兼「平和国家」の厳しい選択は続きそうだ。

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