被災国への支援金、史上最大7000億円!

国際社会の主導権を握りたい? 復興支援をめぐる各国の思惑

2005.01.20 THU

「災」の字で表された2004年、12月26日にインドネシア・スマトラ沖で発生したマグニチュード9.0の大地震による大津波は周辺の各国に被害を与えた。死者は17万人に迫り、被災者は500万人を超える大惨事となった(1月17日現在)。

被災国に対する国・国際機関の支援表明額は総額で50億1500万ドル(約5260億円)を計上した。このほか個人などによる支援額は16億800万ドル。合計で史上最大の約66億ドル(約7000億円)が集まり、国連主導の下、復興支援が行われることとなった。

こうした莫大な復興支援金が集まったことは評価すべきことだが、その一方で各国の復興支援における金額や規模は、諸外国へ自国の存在感を示すなどの外交ツールにもなっている点も否めない。支援表明額上位にランクされたドイツや日本は、国連の常任理事国候補として名乗りを上げているし、被災国で唯一、他国からの支援を断ったインドも常任理事国入りを主張している。

従来、世界的危機の際にはアメリカがリーダーシップをとるケースが多かった。そこで反米感情が根強い中国は、津波発生直後から積極的な支援活動を行い、大国ぶりをアピール。同時に、EUや国連との関係強化に力を注いでいる。

ところで、復興支援における日本の立場はどうか。1月6日にジャカルタで開かれた復興支援首脳会議では、予知システムの構築やインフラ整備、ODAの重点配分などを表明、アジア外交重視の姿勢を示した。

加えて、G7では1月7日に「被災国への貸付金5900億円の債務返済の猶予(モラトリアム)」などを盛り込んだ共同声明を発表、12日のパリクラブ(主要債権国会議)でもこれを支持した。しかし、日本は被災国債務の約半分を担う最大の債務国のため、債務減免は自国経済にも負担が大きく本音としては避けたいところ。

G7では2月4、5日のロンドン会議で、債務削減を視野に入れた中長期支援を決定する予定となっている。外交上のメンツと台所事情の狭間で苦渋の決断を迫られている日本には、あまり「猶予」がないようだ。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト