戦争長期化で膨らむ一方だけど…

日本の景気回復をも左右するアメリカが抱える「双子の赤字」

2005.02.03 THU

アメリカの「双子の赤字」が増大している。双子の赤字とは、巨大な財政赤字と経常赤字のこと。財政赤字とは、政府の税収よりも出ていく金額が大きい状態。経常赤字は、輸出よりも輸入が大きいために生まれる赤字だ。

アメリカが初めて双子の赤字を抱えたのは80年代。レーガン政権が減税を推し進めながら、国の借金である国債を発行しまくったことによって財政赤字が膨らんだ。同時に、減税によって国民の財布も膨らんだから、消費意欲が高まり、海外から物を輸入しまくって経常赤字まで膨張した。

が、次のクリントン政権の8年間でアメリカ経済は闇から脱し、財政は黒字に転換、90年代後半には空前の好景気を謳歌した…のだが、2000年にITバブルが崩壊。01年にブッシュ政権が誕生すると、同時多発テロが起きてイラク戦争へ突入。アメリカ経済は再び迷走を始め、双子の赤字が再膨張し、今に至っているのである。

04年度の財政赤字は2年連続で過去最大を更新し4125億ドル(約45兆円)。富裕層に対する大型減税(ブッシュ減税)によって税収が減る一方、イラク戦争に巨費を投じていることが赤字膨張の要因だ。また、昨年1~9月の経常赤字も4763億ドル(約50兆円)で前年同期比18%増。消費意欲が衰えず輸入が伸び続けているうえに、原油高が重なったことが増大の理由だが、消費意欲が衰えないから彼らが依然リッチかというと、そうではない。米国民の貯蓄率は先進諸国の中でダントツに低い。

つまり、アメリカはバブル崩壊後も政府・国民ともに金を使いまくり、今そのツケがまわってきているというわけである。

エコノミストからはドル暴落といった世界経済への影響を懸念する声が相次いでいる。ブッシュ再選後、ドル安円高が続いているが、円高がさらに進めば、製造業の輸出に支えられている日本の景気回復まで転覆しかねない。ブッシュ大統領には、自国が世界に与える影響をもう少し自覚してもらいたいものだ。

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