58年ぶりに中台直行便が飛んだが…

中国と台湾にはどんな歴史的背景があるのか

2005.02.10 THU

先日、中国と台湾のあいだで春節(旧正月)直行チャーター便が飛んだ。中台の相互乗り入れは実に58年ぶりのことだという。もっとも、台湾は直行便を春節だけに限定し、搭乗者資格を厳しく審査したりとなぜか対中関係に神経を尖らす。そして一方の中国も、年末には日本政府が台湾の李登輝前総統にビザを発給したことに猛反発。報復までチラつかせて李登輝氏の訪日を阻止しようとするなど問題化したのは記憶に新しい。

中国と台湾。不思議なことに、一見同じ民族で同じ言語を持つようにみえながら、中台関係には常に緊張とある種のキナ臭さが漂う。いったいなぜ中国と台湾の関係は悪いのか。実はそこには、半世紀にも及ぶ「政治的問題」が横たわっているのだ。

話は1945年に遡る。中国は当時、「清」から「中華民国」という国になっていたが、日本の敗戦によって、植民地支配されていた台湾は、この中華民国をつくった国民党という政治勢力の支配下に置かれた。その後、大陸では現在政権を握る共産党が勢力を広げ、国民党とのあいだで内戦が勃発。共産党は大陸から国民党を追放し、49年に「中華人民共和国」の建立を宣言。これが現在の中国政府で、一方、台湾に逃れた国民党は「中華民国」として自分たちこそ中国を代表する政府であると主張――。

2000年以降、台湾では民進党の陳水扁氏が国民党以外の初の総統に就いたが、陳氏は中台関係を「一辺一国」、それぞれ別の国といって自立化を進め、中国も「一つの中国」を主張して中台統一を求めるなど、基本的な構図は何ら変わっていない。これが「台湾問題」というわけである。

そしてこの問題がさらに微妙なのは、日本も米国も中国の立場を支持しつつ、統一でもなく台湾独立でもない現状維持を望んでいるということ。それは台湾市民も同様で、政治の思惑を除けば誰も中台との緊張関係は望んでいないのだ。中台関係とはなんともビミョーなバランスで成り立っているのものなのである。

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