求職せず通学せずの若者にテコ入れ!?

政府がニート対策に着手?職業訓練券の効果やいかに

2005.03.10 THU

2月10日が「ニートの日」だったことをご存知だろうか? ニート(NEET)とは、「Not in Employment, Education or Training」の略称で、通学も就職もしない若者たちを指す。英国で生まれた造語だそうで、いわゆる「フリーター」との最大の違いは、彼らが求職の意思すら持ち合わせていない点にある。

ニートの存在が公的に意識されるようになったのは、平成16年度の労働白書から。厚生労働省はこのなかで、15~34歳までを対象とする「若年層無業者」が前年比4万人増の52万人にのぼると指摘している。経済的な視点でニートを考察すると、将来の日本の国際的競争力を損なう由々しき問題として捉えられているのだ。

また、今年2月下旬には、ニートに該当する20歳の若者が静岡県内の交番にナイフを持って押し入り、警官から拳銃を奪おうとする事件が発生した。その動機は「自殺するため」。これは、生きることに目的が見つからない、社会に対して希望を見出せないニート層の深刻な一面が垣間見られる事件の一例ではなかろうか。

このように、にわかにニートが注目されるなか、内閣府と厚生労働省は定職に就かない若者らを対象に、専門学校などで使える職業訓練券を配付する新事業に乗り出すことを決めた。4月から、まず栃木県のモデル事業として実施される。就業支援施設に補助金を与えるよりも、若者がそれぞれ自分に合った職能を目指して訓練支援を受けられるのがポイントだ。

しかしながら、これが有効なニート対策となるのかは、まったくの未知数である。単に職業訓練券という“もの”を与えるだけではなく、たとえば雇用をつくり出す新しい産業の創出や、正社員を登用する企業への税制優遇など、異なるアプローチも必要となってくるだろう。さらには、なぜ就労意欲をもたない若者が52万人もいるのか、ニートが置かれている環境や彼らの心理に踏み込まずして、この問題の根本的な解決は成し得ないのではないだろうか。

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