犯罪者も時間が経てば無罪放免になる制度

ドラマとかで耳にする時効って何のため?

2005.03.24 THU

テレビドラマでよくあるのが、事件を起こした犯人が逮捕されず数年…という状況設定。多くの人が「時効」をイメージする典型例だろう。だがちょっと待てよ。なぜ時間が経てば、犯罪者が許されるのだろうか?

一見、正義に反しているこの制度。現実的な話をすれば、時間が経てば経つほど犯人探しは困難を極め、ほかに発生する事件に刑事を使えなくなってしまう。もちろん、犯人が見つかるまで捜査は続くが、事件を担当する人数は減るのが実情。捜査活動にも当然ながらコストが掛かるわけである。テレビドラマで耳にする「初動捜査が大切」というのは、このため。大勢の捜査員を投入できる段階で、ガッツリ調べあげないと後々事件が迷宮入りする恐れがあるということだ。頼りなく聞こえるかもしれないが、日本の警察は殺人犯の検挙率9割以上という実績を持っている。

一般的に時効は犯罪者のための制度だと思われているが、民事行為にも時効はある。金銭や物の貸し借り、賃金、工事代金、損害賠償などの支払いと様々な権利が時効の対象となる。また土地や建物などの所有権も、自分のものとして10年(他人のものだと知っていた場合は20年)占有すれば自分のものになる「取得時効」もある。

法律的な解釈から理由は3つ。まずは「社会秩序の維持」。一定の事実が継続した場合、“そのまま”のほうが社会が安定するから。文句があるなら権利者は何らかの行動を起こすべき、という考え。次に「証拠採取の困難」。時間が経てば、人の記憶は薄れるし証拠がなくなってしまうから。最後に「権利の上に眠る者を保護しない」というシビアな法律界の常識が上げられる。

犯罪の時効は犯罪の重さに応じて、民事行為の時効についても行為ごとに期間が定められている。最近、タレントが番組内で万引きを告白した。犯罪の時効は成立したかもしれないが、タレント活動の自粛に追い込まれた。悪事には時間の経過にかかわらず、ツケが回ってくるのかも。

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