「難民鎖国」と呼ばれる日本の現状

「難民」と「亡命」の違いアナタは知ってる?

2005.03.31 THU

難民認定を日本政府に求めていたクルド人2人が1月、本国に強制送還されたり、3月には脱北者8人が北京の日本人学校へ駆け込んで亡命を求めたり、僕らには想像もつかない過酷な運命を生きている人々がいる。「亡命者」や「難民」と呼ばれる人たちだ。

「難民」は、戦争や紛争、天災などの理由で自分の国から逃れた人々のことで、1954年に国連が採択した難民条約では、「自国の政府から迫害される恐れがあって国外に逃れた者」と定義されている。

「亡命者」も「難民」に含まれ、難民のなかでも特に政治的弾圧や宗教・民族間の紛争などの理由で外国に逃れ、保護を求める人たちが「亡命者」と呼ばれている。が、「難民」と「亡命者」を分ける明確なラインはない。そもそも難民条約は、政治的亡命者を保護するためにつくられた条約なのだ。

日本が受け入れている難民は、「インドシナ難民」と「条約難民」に分けられる。

75年にベトナム戦争が終わると、社会主義体制になったベトナム、ラオス、カンボジアの人々がボートなどを使って国外へ逃れた。日本へ来た彼らインドシナ難民の8割、約1万1000人が定住を許可された。

日本は81年に難民条約を批准し、認定制度を設け、その後04年までに330人の「条約難民」を認定している。が、日本は先進諸国から「難民鎖国」と非難されている。認定者数が格段に少ないのだ。90年から10年間の難民認定者数はドイツ約16万人、カナダ約13万人、アメリカ約8万人に対して、日本はわずか60人…。

冒頭のクルド人はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の難民認定を受けていた。彼らを強制送還したことで、政府はUNHCRから批判を受けた。「難民鎖国」のイメージを上塗りした形だった。

政府は昨年5月、不法滞在中の難民認定申請者の身分を保証するための法改正案を成立させた。この改正案は同時に不法滞在対策を強化する内容でもあるが、今、世界に難民は約2000万人。一人でも多くの難民を助けられる国でありたい。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト