美しい日本語で簡潔・明解に

俵万智さんや村上龍氏が浮上憲法前文の書き直し案とは!?

2005.04.07 THU

「憲法前文の執筆を歌人の俵万智さんや作家の村上龍氏に依頼すべきだ」。こんな仰天プランが自民党新憲法起草委員会で持ち上がっている。新聞報道によると、現憲法制定時に作家の山本有三氏が「憲法の口語化」に協力した例にならい、著名作家に「美しい日本語」で簡潔に憲法前文を書いてもらおうとの声が党内で続出しているんだとか。

おいおい、マジすか。確かに俵万智さんは『サラダ記念日』で知られる有名歌人で、村上龍氏は『コインロッカー・ベイビーズ』『トパーズ』など数々の話題作を世に出した超人気作家。ってことはあれですか、《「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日》とは俵さんの代表的な短歌だけど、憲法前文も《「この9条変えようね」と自民が言ったから五月三日は憲法記念日》(字余り)なんて『サラダ記念日』風になるのだろうか(笑)。

自民党はなぜこんなことを言い出したのか。そもそも憲法前文とは現行憲法の基本理念を記した640文字ほどの文章で、以前から「GHQに押しつけられたもの」「翻訳調でわかりづらい」との批判があった。そこで新憲法草案を作成する自民党はこの際人気作家に依頼しようなどと考えたのだが、ただその政治的思惑はともかく、前文がわかりにくいことも確かなのだ。

実際、読んでみるとその文体は前時代的で読みづらく、そのため自分流の前文を書いてみるという試みがいろんな場所で行われてきた。たとえば評論家の大塚英志氏は10代の中高生たちが自分の言葉で書いた憲法前文をラップや朗読のCDに収録して昨年発売し、作家の清水義範氏は『騙し絵日本国憲法』で「二十一の異なるバージョンによる前文」を発表。そこでは長嶋茂雄風の前文をはじめ、松本人志風、選挙カーの演説風、果ては実演販売風にパソコンのマニュアル風と、さんざん遊んで憲法前文を噛み砕いてみせている。憲法の精神を知る、という意味では、前文を書き直すというのは案外いい試みなのだ。

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